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2011年5月24日 (火)

『岳』という映画は山岳映画なのか、アイドル映画なのか。まあ、どっちでもいいけど

 映画『岳』(石塚真一原作/片山修監督/吉田智子脚本/製作プロダクション:東宝映画/2011年5月7日公開)を観てきた。

 うーん、これは山岳映画(原作寄り)なのか、アイドル映画なのか。まあ、アイドルというには年をとりすぎているのかも、じゃあ山岳映画なのかなあ・・・。

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公式サイトのURLはコチラ→http://www.gaku-movie.jp/index.html

 原作コミック『岳』(ビッグコミックオリジナル連載)は愛読していたので、まあ主人公役のイケメン小栗旬には若干戸惑いを覚えながらも楽しみにはしていた作品であった。原作のイメージからすると、もうちょっとブサイクな山男というイメージが主人公・島崎三歩なのだが、まあ、これは映画の集客を考えると仕方のないことだろう。

 しかし、それ以上に気になったのは、一話完結の連載という原作の関係から、下手な脚本の作り方をすると「串団子」のようなシナリオになってしまうということなのだ。『シナリオ』6月号に載った脚本家・吉田智子さんのインタビューによれば、そこを山岳警備隊の新人・椎名久美(長澤まさみ)に視点を移すことによって、久美の成長話というストーリーを構築できて、そこにいつも久美が見つめる三歩という形で話ができるという構成になっていて、それはうまく作用している。

 原作の久美は別に山好きでもないし、父親が山岳警備隊の隊長でもないし、たまたま長野県警に就職したら配属が山岳警備隊だったということなのである。しかし、それが次第に山に興味を持つようになり、いずれは一人前の山岳警備員になるのであろうという話がサイドストーリー的に進められている。しかし、映画では山岳警備隊長だった父親が18年前に遭難者の救助の最中に亡くなり、それまでは誕生日、運動会、入園式にも来てくれなかった父親が嫌いだったのが、17回忌の時に父親に救助された全国の山屋の手紙を読み、父親が久美にのこした最期の時のボイスレコーダーを渡され、その結果、自ら志願して山岳警備隊に入隊するという、ある種、山に入ることになる久美の運命ストーリーになっているのだ。そしてストーリーはそんな久美が進行役になって、彼女の成長ドラマとして進行する。

 ことに、ラストシークエンスでは完全に久美が主役である。父親と娘の救助に出かけた久美は娘を救助ヘリに乗せた後、ますますひどくなったブリザードの中、自ら救助ヘリから落ちて父親とともに雪原に残る。最後は、雪崩に飲まれてクレバスに落ちた父親は、久美の献身的な努力の結果死なずに済んで、むしろ久美が仮死状態に陥ってしまう。三歩の話はここからで、そんな久美の心臓マッサージを行い、人工呼吸(つまり小栗旬と長澤まさみちゃんがキッスをしちゃうのね)を行うということだけだ。

 勿論最後は久美も助かるのは長澤まさみが演じている以上は当然なのであるが、つまりラストシークエンスは完全に久美のシークエンス。勿論、それで久美の山岳警備員としての成長を描いたのであろうが、その分、主人公・三歩の見せ場が無くなってしまったのも事実。まあ、こういう映画があってもいいのかもしれないが、最後は主人公が大活躍して一件落着というハリウッド的スペクタクルはそのにはない。まあ、これはハリウッド映画ではないので、全然問題はないのだが、一方、三歩の本来は見せ場であるはずのラストシーンが無くなってしまったはちょっと残念。

 うまくいけばシリーズ化も可能な作品である以上、最初はこんなものでいいのかな。あまり、三歩がスーパーマンであると映画としての今後も途端にルーティン化してしまうしな。もっとも、原作は最初から三歩はスーパーマンで、話は完全「串団子」なんだけれども、それは連載コミックという形式の話だからそれでいい。

 で、私は山登りはやらずに、基本的に麓で山写真を撮るだけなので、この程度の山岳映画でも満足するのだが、山屋さんたちはどんな反応を示すのだろうか。『剣岳 点の記』という、一切CGを使わない(というか監督がCGの使い方を知らなかった)山岳映画の傑作があった以上、それとの比較になってしまうのだが、その比較はどうなんだろう。山好きの皆さん、どうでしょうねえ。

 で、原作の紹介はあまりにも巻数が多いので、1巻目と最新刊(14巻)の表紙を紹介します。

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