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2011年5月 3日 (火)

暗殺国家ロシア

〈暗殺国家〉ったって、昔のツァーリの時代からの〈暗殺国家〉なのかと思ったら、そうじゃなくて社会主義を捨てた今のロシアにおける〈暗殺国家〉ぶりなのであった。だって、ツァーリ時代からの暗殺の歴史って、そのままロシアの歴史なんだもんね。言ってみれば当たり前の歴史ということ、ツァーリ以後もレーニン時代からスターリン時代においてもロシアの暗殺の歴史ってのはしっかりあるわけだし、特にスターリンによるトロツキーの暗殺なんてのは一番有名なものとして、今の我々にもしっかり記憶に残されているのだけれども、そうじゃなくてそれ以降のロシアも結局は〈暗殺国家〉でしかないというのが、本書の主旨であろう。

 この本を「読め」といって薦めてくれたY川さん、ありがとう。

『暗殺国家ロシア』(福田ますみ/新潮社/2010年12月15日刊)

 しかし、本当のことを言ってしまえば、一番「暗殺国家」であった時代は、やはりレーニン、スターリン時代のロシアなんだろうな。やはり一番大きいのはトロツキーの暗殺なのだけれども、とにかくこれはメキシコまでいって殺しちゃったんだからすごい。他の国まで行って、それでも捕まったんだけども、トロツキーを受け容れていたメキシコが「トロツキー」があの「ロシア左翼反対派のトロツキー」であるという風には公式に認めていなかったので、結局単なる殺人事件としか扱えず、結局、普通の殺人事件という扱いになってしまった。ラモン・メルカデルという名前も報道されているし、20年間メキシコに(単なる殺人事件の加害者として)収監されていたけれども、その後釈放された後で「レーニン勲章」を受けたってことは、まさしくスターリン体制の中で公認された「暗殺」だったということでしょう。まあ、国家が殺人というか要は「犯罪」を認めているという、明確な証拠ですよね。

 こんなことは、しかしどこでもあることなのだ。確かにロシアでは「殺人」という明確な形で表れているのかもしれないが、それは却って分かりやすい形なのかもしれない。「表現の自由」というものがあくまでも「相対的」なものでしかない、ということは日本人ジャーナリストならみんな知っていることだろう。つまり、ロシアのような強権的な規制は日本ではないのかもしれないが、でも、日本でも表現の自由に対する規制はいくらでもある。たとえば、讀賣新聞における原発批判記事みたいなものだ。正力松太郎さんが原発を推進しようという立場になってしまったから、それは例えば讀賣新聞では当たり前のこと、傘下にある報知新聞やら日本テレビが反原発のオピニオンを出すことはできないだろう。つまり、日本では「ゆるやかな」形での報道規制とか表現の自由に対する規制が行われているのだ。

 表現の自由ったってそれは「表現の絶対的な自由」を意味してはいない。あくまでも「相対的な自由」でしかない以上、例えば日本であってもメディアは自由にものはいえないというのは当たり前の話。で、それがロシアの状況とどう違うのかと言われても、それはやはり「ロシアに於ける相対的な報道の自由」というものをどうやって獲得していくのかということなのだろう。

 そう、所詮「報道の自由」、「表現の自由」ったって、それは相対的な権力からの自由でしかない。

 ゴルバチョフがそんなに自由な報道にご執心だったとは初めて分かったけれでも、所詮プーチンKGB政権になってしまえば同じこと(つまり報道規制が強まること)だったのだろう。所詮、それはロシア政権の基本的な問題なんだろう。つまり「報道の自由がないことはロシアの歴史では当たり前」。それはつまりこの自由な報道がありそうな日本であっても「報道の自由」はないということなのだ。

 それは上に書いた通り。

 まあ、「報道の自由」がある国なんてもの自体が、マボロシではあるのだけれどもね。

 

 

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