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« 日曜日たち | トップページ | 『モノ言う中国人』ったって、それは「漢民族」だけの問題でしょう。そこがもっと大きな問題なんだよな »

2011年5月11日 (水)

『グーグル 10の黄金律』は「電通鬼十訓」みたいなものか

『グーグル 10の黄金律 天才が集まる会社の仕事術』(桑原亜晃弥著/PHP新書/2011年5月6日刊)

「電通鬼十訓」ならぬ「グーグル10の黄金律」なのだ(ちょっと違う?)。

 つまり;

黄金律1 採用は全委員で――「ハーバードより難しい」採用に受かる法

黄金律2 あらゆる必要を満たせ――グーグルでは「衣食足りて」革命が起きる

黄金律3 一か所に詰め込め――秩序がありすぎると面白いことは起きにくい

黄金律4 調整が容易な環境を――「運に恵まれるネットワーク」のノウハウ

黄金律5 自社製品を使わせろ――いつもとは違う道筋をたどって答えを出す

黄金律6 創造性を奨励せよ――アイデアの質を決定する「二十%」の使い方

黄金律7 合意の形成に努めろ――成功者の「パターン」は隔離して考える

黄金律8 邪悪になるな――優先順位のトップから「収益」を外そう

黄金律9 データが判断を藻たらす――「いつも意見が一致する人たち」に要注意

黄金律10 効果的なコミュニケーションを――頭の「成長限界」をやすやす超える

ということ。

 つまり、これはまだまだ若い企業であるグーグルだから言えるルールなのである。「電通鬼十訓」だって、まだ電通が若くてベンチャー企業だったころは、それが充分機能していたのだろう。しかし、現在の電通マンに「鬼十訓」をいっても始まらないだろう。要は時代の発言というところなのだろう。企業というものは、最初はみんなベンチャーから始めて青年期、壮年期を越えて老年期に入り、消え去るものなのだ。松下幸之助氏が生きていた時代の松下電器(現パナソニック)、本田宗一郎氏が生きていた時代の本田技研、野間清治氏が生きていた時代の大日本雄弁会講談社なんて、まだまだその企業がベンチャー出会った時の名残があった時代なのだ。今後、50年位経ってエリック・シュミット、ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンがいなくなった後のグーグルがどうなっているのかを考えると、多分、こんな「10の黄金律」なんてものは跡形もなくなっているか、額縁に飾られた「昔の言葉」になっているだろう。

 面白いのは「黄金6」である。つまり、就業時間の20%は自分の興味のあることに使っていいよ、という制度なのであるが、要はそれはアメリカ企業というものが就業時間の100%を自ら与えられた仕事に集中せよという企業文化に侵されているということの裏返しなのだろう。その100%理論から、アメリカ人は自分の仕事が終わったらすぐに家に帰ってしまうとか、仕事のアフターミーティング(日本で言う「飲みニケーション」)は一切ない、というようなアメリカのサラリーマンのビヘイヴュアがあるのだろう。それに対して、まあ20%位なら「何をやっているのか分からないことをやってもいいよ」というのが、このルールなのだ。多分、酒は出さないだろうが、社内のフードサービスなんかはこの「飲みニケーション」の一種なのだろう。

 実は、日本のサラリーマンの世界では、そんなことは当たり前でありまして、先にあげた電通でも「今、金を稼いでいるのは20%。最早箸にも棒にもかからないのが20%。残りの60%はもしかするとこれから稼ぐことになるかもしれないし、駄目かもしれない人間」という人事構成になっているのだそうだ(実際に電通人事部に聞いたわけではなく営業の人から聞いた話なので確かではないが)。

 出版社なんかは、みんな隣の社員が何をやっているのかは分からない。という以上に、隣に社員がいたんだっけ? という位に社員は会社にいないものなのだ。週刊誌なら1週間に1回、月刊誌なら月に1回行われる企画会議に出ていれば大丈夫。まあ、ここまでいい加減な会社も出版業界以外にはないだろうけれども、しかし、そういった社員が自由勝手に動いていいですよという会社が、結局はこれから生きていける会社なのではないだろうか。

 先の電通の60%社員だって、その中のかなりの部分は「何かないかな」といろいろ嗅ぎまわっているだろうし、出版社の編集者もそうである。デスクにしがみついているような奴はいらないのである。まあ、出版社とか広告会社なんてものは永遠のベンチャーなのかもしれない。明日、潰れたっておかしくはないしね。

 ということから考えてみると、グーグルの20%理論って何なのよ。たったそれだけしか社員の自由を与えないの? という気分にもなるのである。

 まあ、この「20%理論」が話題になるということだけでも、アメリカ社会の「息詰まり」状態はよくわかるし、そのあとを追っている日本の企業風土も、先行きは怪しいなという気分にもなってくる。そう、いまや日本にも「100%理論」がはびこってきて、とにかく上長からの指令に基づく仕事をキチンとやることが一番、改善計画なんてものがあれば、それはまず仕事をキチンとやってからのことだ、というある種の「官僚制度」が企業風土にも影響されてしまっているということなのだ。

 みんな、そんなバカな上司の言うことを聞くことはやめましょう。会社は20%程度の仕事をしていれば回って行くのだから、そのあとの時間は自分のために使いましょう。で、それが会社のためになるのであれば会社に企画しましょう。ということである。

 結構、みんな会社のことを考えているのであるから、こうして自由に仕事をやるようにすれば、いいアイデアとかが出てくるように思うのですがね。

 別に、グーグルだけにいい思いをさせる必要ないじゃないですか。

 なんてことを書いていたら、実は今日からグーグルがアンドロイド用にクラウドで音楽配信を始めるそうだ。それが、またまたレコード・レーベルからの許諾なしてやっちゃうってんだから、またまたグーグル・ブック・サーチやグーグルTVの時と同じことをやろうとしている。今回も、文句あるならオプトアウトしてね、なんてやるつもりなんだろうか。

 いやはや、まったく理系人間のやることは理解ができない。

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