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2011年5月16日 (月)

『FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン』はいちいち腑に落ちる話ばっかりだ

 原発がそんなに安全だというならば、いっそ一番消費をする東京に原発を持ってきてしまえば送電コストもかからないし、最も良い方法なのじゃないのか、という主張の『東京に原発を』を書いた、反原発ライターの第一人者、広瀬隆氏の3.11以降、初めての書き下ろし本が出た。まあ、いよいよ本命登場という感じだな。

『FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン』(広瀬隆著/朝日新書/2011年5月30日刊)

 まず、当初発表されたマグニチュードが後に変更された件について、『当初のマグニチュード8.4のままだと、今回の地震が「想定内」の天災ということになり、原発を運転してきた東京電力のみならず、原発を推進してきた政府や「専門家」らも責任を追及されることになるからです』と切って捨て、『事実、沸騰水型原子炉で制御棒が落下し、事故を起こしたケースが日本で過去に何度もあったのに、2007年3月まで隠されてきました。~あまりに危険な事故だったため、電力会社と原子力産業がひたすら国民に対して隠してきたのです。彼らは、それだけでおそるべき犯罪者の集団であることが分かります。福島メルトダウン事故後に、謝る人間が出ていますが、謝ってすむことではありません』と続け、『もう一つ重要なことは、こ何年も続いてきた日本政府の愚かをきわめる無策です。日本は知らないようですが、電力の供給ができるのは、電力会社だけではないのです。保安院の西山英彦審議官は、「原発なしでは日本はやってゆけない。原子力の代わりは停電だ」と国民を恫喝する発言をしましたが、このように電力の実態を知らない人間が日本の行政を動かしていくから、日本人全体が無知になるのです。この審議官の無能さには、あきれて言葉を失います』と、決めつける。

『私はここ二年間、「桜島の大噴火のその九年後に関東大震災が起こっているのですよ。大地震がちかいですよ」と講演会で言い続けましたが、誰も、南の異変を、遠い北の異変につながえては考えてはくれませんでした』と警告を発し、特に今回政府が停止を「お願い」した中部電力浜岡原発については、『浜岡増殖炉は運転技術がむずかしく、核爆走を起こしやすく、ナトリウム火災をおこしやすく、加えて地上最強の猛毒物であるプルトニウムを大量に内蔵する原子炉であるため、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ロシアなど、核技術の先進国が軒並み断念し、撤退してきた原子炉です』と付け加える。

 結局、結論としては;

『福島第一原発という原発震災による放射能汚染は、あまりにも大きくなりました。私たちは、どうすべきか。第一部の最後に、現在の私の考えを示しておきます。これは、まことに中って考えですから、自分で判断なさってくださるようお願いします。

①三十歳以下の人、とくに若い世代、幼児、妊婦や若い女性は、約二百五十キロメートルを最低限の退避圏として、できるだけ福島第一原発から遠いところへ恒久的な移住を考えて逃げる。避難地は西日本のほうが、年間の風向きから考えて長期的な安全性は高いであろう。

②退避する人々の受け入れ態勢を政府がしっかり考える。国民規模の協力が欠かせない。東京電力はそれに専心する責務がある。

③食品汚染の測定は長期にわたって続け、そのデータを一切隠すことなく公表し、その危険性を国民すべてに告知する。

④三十歳を超えた個人は危険性を自ら判断し、人生を選択できるようにしたうえで、農家と漁業者を守るためにすべての出荷制限を取り払い、みながすべての放射能汚染食品をたべるほかない。汚染水も飲む。政府は「ただちに健康に影響はない」と言い続ける。何年か後に、癌になりたい人はなればよい――。』

 とする。これって、結局は原発に関する人間の完全敗北宣言のようなものなのだけれども、それも仕方のないことだろう。

 今回の福島第一原発事件に関しては『ピーク時の電気代を高くするように時間別の電力料金制度を設定すれば、企業はコストに目ざといので電力節約に走り、電力の消費量され簡単に下げることができるのです。また、すぐれた発電法はほかにいくらでもあります。発電所や発電装置はできるだけ分散し、安全で小型なものに向かうべきであって、そのために必要なのは、電力会社が独占してきた電力の完全自由化を、送電線の分離であると、日本全土が声をあげるべき時期です』という、言わば当たり前の結論なのだが、それも結局は、根本の問題である。つまり;

『一体、わたしたちの世代がいなくなったあと、それを誰が管理するのでしょう。私たちの世代が、何も責任のない将来の世代に対してどのような罪を犯しているか、考えたことがあるでしょうか?』

 ということ。つまり何世代も後、どころか数万年後に生きる私たちの子孫たちに対してどうやって責任をとるというのだろう。その為に、核のゴミを捨てる場所探しの為に、宇宙開発をしているという話もあるが、そんなことをしたら核廃棄物を宇宙全体に拡散させることになるだろうし、結局、「原子力は格安のエネルギー源」という話は全くのウソということになるのだ。

『テレビと新聞・雑誌で放射能の安全論を語っている人間は、みな、原子力産業の手先なのです。私は彼らの履歴をすべて調べたので、それを知っています。このことについては、ちかく集英社新書で報告します』という広瀬氏の言葉に期待して、集英社新書の発売を待とう、ということになるのだが、結局そこでは「ああ、いつもの人たち」が並んでいるのだろうな。なぜなら、取り敢えず今テレビなどのマスコミに顔を出している人は全て原発推進派じゃないにしても、表立って反原発を語っている人は誰もいないのだ。

 まるで、官房機密費を受け取ったマスコミ人リストみたいなもので、なんだ結局は田原総一朗氏以外のマスコミ人みんなじゃないか、みたいなことになるのだろう。

 残念ながら・・・。

 

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