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« 『不道徳な経済学』と言ったって、結局は全然不道徳でもない、単なるガキの言い草だったりして | トップページ | レンズ至上主義! »

2011年4月20日 (水)

『ニッポンの書評』というのはやっぱりガラパゴスなのだろうか

 書評と批評が違うのですか? ということを思いながら、でもやっぱり「書評家」という人たちって、その違いに思いを及ぼすのだろうな。

『ニッポンの書評』(豊﨑由美著/光文社新書/2011年4月20日刊)

 基本的なことを言ってしまうと「書評」も「批評」も同じだと思う。本書ではは書評は800~1600字位の短い文の評論、批評はそれ以上の2000字以上の文章だという分け方をしているのだが、そんなことは関係ないじゃないか、800字であっても寸鉄を漏らさぬ大批判、という批評もあっていいのかもしれないし、3000字を費やしても、原著作に一歩も近寄れない批評もあるのだ。問題は「批評」とか「書評」の「質」であるし、要は「書く中身」の問題だろうし、「書く方法論」の問題なのだ。

「書評で何を書かなければいけないのか」ということは、多分何もないだろうな。 つまり、書評ってのは何を書いてもいいのである。人によっては「書評は粗筋の要約+α」であると考える。あるいは昔映画評論家の松田政男氏が言ったように「映画批評は党派性だ」という考え方もあるかもしれない。あるいは極端な例としては批評は「実はその対象物(本や映画)について語るような方法を用いて自分の言いたいことを書くメディア」であるという考え方もある。実は、私の批評についての考え方はこの「極端な例」に属するものなのだが、それも批評の一つであり、批評の読者がその書き手の個性を読み込んで、その批評の対象となった本や映画を読みたい見たいと思うようになるかどうかが肝心なのである。

 豊﨑氏が巻末の対談で話すように『どんな本を選び、どのように紹介し、どうやって褒め、批判するか、そのすべてに書き手の教養や魂のありようがあらわになるのが書評だからです。”わたし”が何を正しいと思い、どういう行為や考え方を下品だと思っているかが全部出る。まあ、書評に限らず、ものを書く、ものを表現するということは、みんなそうなんでしょうが、他人様の創造物をネタにおまんまを食べるレビュアーという仕事には、とくにその矜持が大事だと思う次第です』ということなのだ。つまり何を書いてもいいのだが、基本的にその批評の対象物にたいする愛というようなものが大事なのだということだろう。

『わたしはよく小説を大八車にたとえます。小説を乗せた大八車の両輪を担うのが作家と批評家で、前で車を引っ張るのが編集者(出版社)。そして、書評家はそれを後ろから押す役目を担っていると思うのです。

 たとえ新刊を扱うにしろ、作者の過去の作品にまで敷衍し、一部のエリート読者以外には理解が難しいテクニカル・タームを駆使して、当該作品の構造を分析し、その作品が現在書かれる意味と意義を長文によって明らかにする批評は、作者にとって時に煙ったい、しかし絶対に必要な伴走者的役割にあると、わたしは考えています。

 一方、書評家が果たしうる役目はといえば、これは素晴らしいと思える作品を一人でも多くの読者にわかりやすい言葉で紹介するということです。』

 ということ。しかし、時には批判的なことも書いてしまうという豊﨑氏の書き方は正直だ。それでいいのである。なんでも書きたいことを書く。そしてそれが読者に読まれる以上は、書評もまた文芸作品のひとつであり、厳しい読者の批評下にあるのだ。

 パブリシティであると同時にエンターテインメントであるという批評の立ち位置が面白いじゃないか。

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