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2011年3月12日 (土)

『文学部がなくなる日』ったって、なんでそれが問題なの?

 まあ、文学部がなくなるということは、そこそこの大学ではまだないんだな。

『文学部がなくなる日 誰もかかなかった大学の「いま」』(倉部史記著/主婦の友新書/2011年3月10日刊)

 主婦の友新書の「なくなる日」シリーズというのがあって、面白そうなので、しばらく読んでみようかな。

 まあ、ひとつには「文学部」っていうのは何をやっていた学部なのか企業の就職担当者には良くわかっていなかったのだろうということと、所詮「文学部」生なんてのは他の社会科学系の学部にいけなかった「落ちこぼれ」じゃないかよ、という偏見があるのだろう。特に、私がいるような出版社とかじゃなくて、普通の商社とかメーカーだったら尚更そういう偏見を持っていてもしょうがないのかもしれない。

 しかし、文学を「リベラル・アーツ」という視点で捉えたらまた別の視点が生まれる。つまり、リベラル・アーツとは皆が持っていなければいけない、いわば「教養」のようなものだ。その意味では、例えば日本文学に関しての教養があればそれだけで外国の人間とはいい話が出来るのであるし、英文ならイギリスとかアメリカ人、仏文ならフランス人、独文ならドイツ人、露文ならロシア人と、絶対いい話が出来る筈だ、それも相手国の言葉で・・・って、無理ですか? でも、会話は英語でもその国の文学についての話はできる筈だし、かの国の人たちの方が、自国の文学について学んでいる人たちが多いのは事実だから大丈夫。でも、多少は、その国の文学を勉強したことで言葉も少しは話せるでしょう。ということで、この話はおしまい。問題はそうじゃないのだ。

 以上は、普通の大学の文学部の話。そうじゃない大学がいまや日本にはいっぱいあって、「そうじゃない大学」では文学部で一括されてしまうと、そこにいた学生がなにをやっていたのか良くわからないので、なにか具体的な名称の学部を作らなきゃということで、いまややたらカタカナ名前の学部がいっぱい増えたということなのだそうである。

 でも、はたしてそれがどれだけ効果を持っているのだろうか。企業の採用担当者は、結局、高偏差値大学からの採用ばっかりを行っているだろうし、いくら大学側が仕事にすぐに役立つような具体的な学部名、学科名をつけたって、結局、意味はない。採用担当者がなぜ高偏差値大学からの採用しか考えていないのか、と言ってしまえば、単純な論理。結構面白そうな人材がいたからと言って、そいつを採用した時に「なんでこんなバカ(な大学の出身者)を採ったんだよ」と現場の上司から言われるのを嫌うからなのだ。要は、高偏差値大学というのは「安全パイ」であり、それを育てられなかったのは「あんたの責任でしょ」と責任を他人におっつけられるからなのだ。

 ということで、この日本の社会の(停滞し、落ち込んでいく)中でいくら頑張っても、新設大学は生き延びる道はないということ。まあ、大学は生きてもいいんだけれども、そこの学生が生きなくても、というか大学を卒業しても就職の道がないといって大学に文句を言うなよということである。まあ、とにかく若者の50%が大学に行く状況である。大学生の数は増えているが、一方企業の求人は減っている。だったら、そんな若者を今の緊縮しつつある日本の企業が受け容れらないのは当たり前じゃないか。例えば、海外に就職先を求める大学なんてものもあっていいのじゃないか?

 大学は就職斡旋機関ではないし、就職のための指導機関でもない。要は、4年間のモラトリアムを受け容れる機関〈でしかないのだ〉。その4年間のモラトリアムでスポーツに励む者もいる、アルバイトで将来の就職に結びつけるものもいる、研究者としての準備期間として使うものもいる、それでいいのだ。それが大学の4年間なのである。所詮、そんなものよ。

 そんな意味では、別に大学から「文学部」なんてものがなくなってもいい。要は、大学が大学として残ってりゃあいいんでしょ。

 

 

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