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2011年3月 7日 (月)

『死にゆく妻との旅路』ってベタすぎるタイトルなのだが

 そうなんだよな、夫婦って二人だけなんだよなあ、というのが最初の感想。で、死ぬ前に一度だけ輝く時があるのか、というのが二番目の感想。

『死にゆく妻との旅路』(監督:塙幸成/脚本:山田耕大/原作:清水久典/製作:イメージフィールド)

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 脚本の山田耕大氏とは昔一度仕事をしたことがある。京極夏彦氏の小説『鉄鼠の檻』を映画化しようとして、原作者のOKをとり、監督はフジテレビ・ディレクターの河毛俊作氏にお願いし、脚本に山田氏、プロデューサーに私と、今や東宝の専務になってしまった島谷能成氏という布陣で臨んで、初稿までは上げたのだが、それを御前会議(って誰が出てるのか知らないが)に提出したら、「これは金がいくらかかるか分からない(というか「5億円以上かかりそうだ」というのが正解)」ということになって、結局企画はボツということになり、山田氏のギャラは東宝さんが払ってくれることになり、私は2度目の減給処分を受けることなくなったということだったのだ。

 それ以来、山田氏の作品は大体みていると思っているのだが(だって「鉄人28号」まで見たんだぜ)、その一番最近作がこの『死にゆく妻との旅路』っていうとにかく「ベタ」なタイトルの作品なのである。いやあ、最初から目指すものは見えてますね。「お涙頂戴」というのは、いまでは「一般的には」はやらないのかなあ。

 癌で一度は切除手術はしたのだが、当然といってはいけないが再発の(転移)の可能性があるわけで、そんな妻が「病院においておかれるのは嫌だ、ずっと一緒にいたい」と言われた夫がどうするか、という話なのだ。おまけに、夫の側には夫なりの事情があって、事業に失敗して数百万円の借金と1千万円の税金を納めなければならない。夫は自己破産を宣言するのはいやだ、ということはもはや選べる道は「逃亡」しかないじゃないか。逃亡の果てに何があるのかは考えない。『ブッチ・キャシディとサンダンス・キッズ(「明日に向かって撃て」の原題です)』は逃亡の果ては南アメリカ(ボリビアか)においていたのだが、そこで追われていた事実はなくなるわけで、しかし、結局はアメリカ政府の警察に捕まってしまった。日本で、この島国の日本でどこに逃げるというのだろうか。結局、この夫婦は北陸・関西・近畿・東海をぐるぐる回るだけで、それだけで終わってしまう。まあ、その結果警察に捕まってしまうのは、全『ブッチ・キャシディ~』とは全然関係ないことであり要は「保護責任者遺棄致死」という罪状だそうだ。

 でも、妻との関係を一番大事にするミクロ的な視点を重要にすれば、それは正しいということになる。勿論、反対側の論理で「なんでかみさんを病院に連れていかなかったのか」という論理もある。まあ、たしかに病院に連れていけば、多少はかみさんの寿命も延びたかもしれないが、病院でひとりだけにされてしまうことを嫌がる妻である。だとしたら、やはり死ぬまで妻と一緒にいてあげようというのが愛する夫の立場であろう。たとえそれが罪に問われることになっても。

 寿命というものはそういうものではないのだろうか。要は、ある年齢になると「死んじゃう」ということ。それが「寿命」かもしれない。我々はまだ自分の寿命というものを知らない。しかし、確実にやってくるこの「寿命」というものにたいして、基本的な姿勢を作っておこう。最早、我々、生産に携ずさわらない人間にとっては、もう自分の人生なんてものも、所詮「余生」にすぎないのだ。

 そういうこと、私は50歳になった時に、「ああ、俺は最早これまで生きてきた時間と同じ時間を持つことが出来ないんだ」と感じた時に人生観変わったね。

 もう俺は死んでいくだけの人生なのだとういうこと。

 公開規模は大きくないが、なんかヒットの予感のあるロードムービーだ。

 映画の公式HPはこちら→http://www.tabiji-movie.jp/

原作はこちら↓

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