フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« ようは哲学には女はいらないってことでしょう | トップページ | 日本アカデミー賞は何故子役に賞を与えるのか、ということ。儲かりゃいいのか? »

2011年2月21日 (月)

結局は「憎しみの連鎖」なのだが、それがいつまで続くのかということ

 結局は憎しみの連鎖でしかない。

『ウォール・ストリート 金は決して眠らない』(監督:オリバー・ストーン/脚本:アラン・ローブ、スティーブン・シフ/製作:エドワード・プレスマン、エリック・コペロフ)

Ent11020409230011p2 

(c)2010 Twentieth Century Fox.

 結局、前作「ウォール街」で悪役を演じたゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)は、やっぱり悪役のままだし、本作で最後は連邦裁判所によって起訴されそうなブレトン・ジェームズ(ジョシュ・ブローリン)は多分(誰かオリバー・ストーンじゃない誰かによって作られる)次作では復讐の鬼になって、自分を陥れて、多分そのころにはウォール街の大物になっているであろうジェイコブ・ムーア(ジャイア・ラブーフ)を追い詰めるのだ。そして、その復讐を・・・、という具合に。つまり、そこには相手を陥れない限り自らの勝利はないというマネーゲームがあるだけなのだ。ウォール街というのはそういう町なのだ。

 よく考えてみれば、マネーゲームで誰かが得をすれば、当然、その反対側には損をする人間がいるのだ。良く言う「Win Winの関係」なんてのはあり得ない。もしあっても、それはごく狭い自分たちだけの関係論なのであって、その外側には誰から損をしている。それが、流通量が決まっている貨幣の世界のおこなわれ方でしかないだろう。誰かのところに「富」が集中すれば、誰かのところから「富」は流失してしまい、「貧」になるということだ。その繰り返しをやっているだけというのが、ウォール街という資本主義社会なのである。

 しかしこのゲッコーって親はまったくとんでもない親だなあ。娘(ウィニー/キャリー・マリガン)のために娘名義でスイス銀行に預けていた1億ドルを、娘の婚約者であるジェイコブを通してかどわかして引き出させて、引き出したとたんマネーロンダリングが必要と言う理由でいったん自分に引き渡させて、それが引き渡されるとすぐにロンドンの株式市場で投資に回してしまうという悪辣ぶりである。そんな悪漢ばっかりの世界に生きているジェイコブはそれを批判することはできない。

 そんなこんなでジェイコブとウィニーは別れてしまうのである。そりゃそうだよな、親父の策略にのって1億ドルを簡単に乗っ取られてしまうような男とは別れたくなるのはよくわかる。それも悪人ゲッコーの娘だからな。

 しかし、そのゲッコーが最後に自分が奪った1億ドルをジェイコブのいうエコ・エネルギーに投資しておしまい、ジェイコブとウィニーの仲も再び戻っておしまい、ってそりゃないだろう。最後に善人になろうったって、その前に1億ドル(確かにそれはゴードン・ゲッコーが稼いだ金だが)を横領しといて、それが11億ドルになったから「たかだか1億ドル」を娘の婚約者に投資しただけだろう。そんなのは盗人が、盗んだ金を投資したらそれが大きな利益を出したので、盗んだ分を元の持ち主に返しただけじゃないか。

 しかし、それがウォール街、投資の世界の常識なのかもしれない。そうして、それはやはり「得した者」と「損した者」の闘いの世界なのだろう。これを「憎しみの連鎖」と言ってしまっては、問題を矮小化するだろうか。もうちょっと皆前向きの「闘争の世界」なのだといえばいいのだろうか。

 いいや、やはりそれは「憎しみの連鎖」なのである。何が、モチベーションになるのかと言えば、一番は「憎しみ」であるし、過去、誰かに傷つけられた思い出なのである。

 これが国と国の(あるいは国と解放戦線とかの)戦いであれば、戦争が終わってしまってみれば、誰が誰を憎むということはない。俺の親父を殺したジェームズやマイクを殺すというような復讐の連鎖は生まれないのだが、こういう誰が誰をツブしたのかが良くわかる闘いの場合は、完全に憎しみの連鎖の世界なのだ。

 面白いなあ。こうしてウォール街では憎しみの連鎖が次々に巻き起こって、ウォール街資本主義の世界が動いて行くなんて、なんて素敵な世界でしょう。とはいうものの、こうした世界には終わりはないのでしょう。とにかく、アメリカの大学は次々にこうした世界に入り込む人士を送り出し続けているのだ。第二、第三のゴードン・ゲッコーやらブレトン・ジェームズやら、ジェコブ・ムーアをである。

 で、ハリウッドは20年から30年に一度は、こうしたウォール街のバブル崩壊から起きる悲劇を、「喜劇にも・悲劇にも」どんな劇にも作って金を稼げるのである。つまり、ハリウッドを作ったユダヤ人たちも、結局東海岸のユダヤ人の浮沈をネタにして稼いでいる、という面白い構図なのである。

 最後にひとつ。実はゴードン・ゲッコーが投資から遠ざかった時期に書いた本のキャンペーンでサイン会をやっていた本屋さんがボーダーズだったということ。実はボーダーズというのはバーンズ&ノーブルに次いでアメリカ第二の書店チェーンなのだが、つい最近の2月12日に連邦破産法第11条を申請して倒産した書店なのだ。まあ、11条というのは見本で言う民事再生法とか会社再生法のようなものなので、ボーダーズがなくなっちゃうわけではないけれども、相当数の支店はなくなるだろうし、当然、経営者は「斬首」である。

 いやあ、おもしろいなあ。

で、映画の公式サイトはコチラ↓

http://movies.foxjapan.com/wallstreet/

Image

« ようは哲学には女はいらないってことでしょう | トップページ | 日本アカデミー賞は何故子役に賞を与えるのか、ということ。儲かりゃいいのか? »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/50920283

この記事へのトラックバック一覧です: 結局は「憎しみの連鎖」なのだが、それがいつまで続くのかということ:

« ようは哲学には女はいらないってことでしょう | トップページ | 日本アカデミー賞は何故子役に賞を与えるのか、ということ。儲かりゃいいのか? »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?