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2011年1月25日 (火)

『電子本をバカにするなかれ』って、バカにはしてないですよ。邪魔にはしてますけどね。

 というタイトルではあるけれども、本書は電子本のことを書いた本ではない。電子も含めて「活字本」についての本なのである。活字本についての本ということであるならば、1月21日のブログ『電子書籍奮戦記』も一緒に読んでください。合わせて、同じことを言っている本なのであります。基本的には、電子もパソコンやケータイや電子書籍端末も、所詮「活字本」でしかない、ということ。

『電子本をバカにするなかれ』(津野海太郎著/国書刊行会/2010年11月25日刊)

 つまり、紙の本であろうが電子本であろうが要は同じ「活字で書かれたもの」を読んでいるのだ。津野氏が言うのはそんな「活字」ができる前と、「活字」がなくなってしまう後の世界である。活字(あるいは文字)というのは要は記号であり、記号というのは「話し言葉」をどうやって記録・記憶しておくための道具でしかない。そんな「文字」のない世界という時代があったわけだし、これから先「文字」が禁じられる世界が来るかもしれない、それはだれも予想できない世界だし、予想したくない世界かもしれない、しかし可能性の予測としてはあるのだ。まさに『華氏451度』の世界である。

 津野氏は本書における根本的な基準として四つのポイントを挙げている。それは;

『①いまの本や出版の電子化を。書物史、さらにいえば人類の茫々たる文化史・文明史の流れのうちに位置づけ、それを研究者やジャーナリストや企業人のことばとは別の性質のことばで語るべくつとめる。

 ②「電子本が勝って印刷本が負ける」といった類の単純な見方はとらない。そうではなく、本が歴史上はじめて二つの流れに分岐し、印刷本(物質の本)と電子本(物質ではない本)という二系統の本の長い共存の時代がはじまったと考える。

 ③これまで印刷本には「社会の知の水準を粘りづよく保持する」という重い責任が負わされてきた。その責任をこれからは電子本も分担することになる。それがやがて電子本が本の伝統をひきつぐ正統性の根拠になっていくだろう。そのことなしでは、つまりビジネス・レベルだけでは「電子本の時代」はスタートしえない。(電子本の力をバカにするなかれ。まだまだ「元年」などではないぞ)

 ④本や読書の習慣がほろびることはない。ただし私たちが生きた二十世紀という時代は、五千年をこえる本や読書の歴史のなかでも、きわだって特殊な(例外的な)時代だった。私たちが当然のこととしている本や読書についての考え方も、この特殊な時代の気風を色こくひきずっている。そのことをさめた頭でみとめる必要がある。』

 ということである。

 いまの若い人が「活字離れ」を起こしているという話があるが、実はそれは単に「活字が印刷されている雑誌・書籍離れ」でしかないわけだし、活字に対しては今の若いひとたちはパソコン、ケータイでもってますます「活字好き」になっているのだ。

 むしろ、老年世代の方が本も読むスピードも遅れてきているし、パソコンの画面も見ないし、ケータイなんてとてもじゃないが見られない、新聞もあまり読まなくなってきて、老年世代の「活字離れ」の方が問題なんじゃないか、と思うのだが。ほんとに、今の「若者は活字を読まない」なんて行っている老人が、じゃああんた月間に何冊本を読んでいるのよ、と問いたい。毎日が日曜日の老年世代だったら月間30冊くらいは読んで当たり前でしょ。それが月間数冊ではしょうがないでしょ。もともとそんな老人は本が好きではなかったのだ。そんな奴が「今の若いものは本を読まない」なんて言ってもね・・・どうしようもない。

 出版産業が今後は小さくなるのはしょうがない。これは時代の要請なのだ。問題は、産業としての規模を縮小する出版産業の中で、生き残る「活字産業」はあるのか、ということなのである。「紙の本」であると「電子の本」であるとにかかわらず、取り敢えず「活字」がある限りは「出版社」というものはあり続けるわけで、どうやって出版社が生き残るというのは、今後出版社を経営するものの中で考えなければならないものなのだろう。

 まあ、そんなことを考えなくてもいい私の状況もラクではありますけれどもね。

 

 

 

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