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2010年12月30日 (木)

『占領下の日本』という新しくて古い写真

 いずれもいままでどこかでみた写真の集まりではある。が、しばしばこうして「復刻」を重ねないと、今の若い人には伝わらないのだろうな。

写真で読む昭和史 占領下の日本』(水島吉隆著/太平洋戦争研究会編/日経プレミアシリーズ/2010年12月8日刊)

 表紙の写真が面白い。銀座四丁目の三越前の写真なのだが、「銀座四丁目」というポールの上に「TIMES SQUARE」という看板が付いていて、その下で何故かはわからないが米軍兵士が握手しているという写真である。周りで「なんじゃこれは」という感じで見上げる日本人も面白い。なんで、銀座四丁目がタイムズ・スクエアなのかという意味は分からない。多分、この看板をつけた米兵自身がタイムズ・スクエアを知らないのじゃないか、とも思えるのである。つまり、タイムズ・スクエアは銀座四丁目みたいな正確な十字路じゃなくて斜めな交差点であるし、おまけに銀座のようなショッピング・タウンじゃなくてブロードウェイのまん真ん中のシアター・タウンなのである。それを、単に「繁華街」というだけでタイムズ・スクエアと名づけるアメリカ人の田舎者性ということを、この表紙写真から思い起こさせるのでである。

 126ページには「東京の下町でカメラを構えるアメリカ兵を興味深そうに眺める少年たち」というキャプションのついた写真が載っているのだが、写真をみるとその米兵が構えているカメラはスチールじゃなくて16mmのフィルモか35mmのアイモか、いずれにせよムービーカメラであることは間違いない。これは、どこか他の媒体でも見たことのある写真だ。

 さらに、1945年10月3日に誠文堂新光社から『日米英会話手帳』という本が発刊されて360万部というベストセラーになったという記事も面白い。要は、大半の日本人は政府が言うように「鬼畜米英」なんて言葉を信じていたような風を装っていながら、実はまあ戦争も台風のような天災みたいなもんだと考えて、その天災がすぎれば即その後の態勢に応じてしまうという、たくましさを持っていたということなんだろうな。

 だからこそ、1950年に警察予備隊という前段階の軍隊ができた時に、国民は容易にそれを受け入れたのであろう。勿論、その段階で反対運動があったのは知っているが、そうはいっても成立してしまったのだから、大方の国民はそれを受け入れたわけだ。それが日本人というものなのだろう。基本的に常に前向きな国民である。

 ということで、本書は「占領下の日本」ということなので1945年から1951年までの日本の姿を写真でとらえたものに文章を付け加えて、多分「今の人たちに、こんな時代があったんだよ」ということを伝えるとともに、もうひとつ沖縄問題がある限りは戦後は終わっていないということを訴えたかったんだろう。

 最後に本書の一番最後の言葉を引用する。

『沖縄は本土復帰を果たしたが、駐留米軍との間には現在も数多くの問題が横たわったままである。これは「沖縄問題」ではなく「日米問題」なのであり、”戦後”はまだ続いている。』

 まさに、その通りである。

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