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2010年12月25日 (土)

『遭難フリーター』ですが、まあ、こつはこんなもんかな、ということで

 東北芸術工科大学っていえば、あの東北学の赤坂憲雄氏が学長をやっていたこともあり、映像学科だったら「ヴィヨンの妻」の根岸吉太郎氏が学科長で、「送りびと」の小山薫堂が教授を務めている学校じゃないかよ・・・というのが、まあ、普通の反応じゃないかと思うのだが。そこを、うまく出られないとこうなるのだ、というのがこの作品である。

『遭難フリーター』(岩淵弘樹著/幻冬舎アウトロー文庫/2010年12月10日刊)

『遭難フリーター』というのは、同じ筆者が作ったドキュメンタリー映画の題名でもある。つまり、この(本の)作品は、おなじドキュメンタリー映画と同時進行的なドキュメンタリー小説(?)であるということなのだ。

 作者の岩淵氏には悪いけど、まあこんな時代に単位修得不足で中退って、君が悪いよねとしか言えないのだ。が・・・。

 だからこそ、この映画『遭難フリーター』を観た観客の中からは(つまり、同じフリーターなのだろうな)所詮は「作者のオナニーじゃないかよ」という感想が寄せられたそうだ。確かに、こうした自分自身が主役になってしまうようなドキュメンタリー・フィルムは実際に作った人間の自己満足や自己卑下などの、要は「オナニー」なのである。でも、問題は「それで何がいけないのか」ということである。

 たとえば鎌田慧が「自動車絶望工場」を同時撮影でドキュメンタリーを作っても、多分、同じ反応はあったのだろう。ただし、鎌田慧は映画は作らなかった、というよりもその時代では、誰か他人がカメラを回さないとドキュメンタリーフィルムは作れなかった。しかし、今は、本人がビデオカメラを回せばドキュメンタリーは作れるし、映像を制作するのは昔から比べればすごくラクなものになっている。問題は、「どういうテーマ」で「どういう映像」を作るのかということなのである。

 そういう意味では、いまやドキュメンタリーフィルムを作る障壁はとてつもなく低くなっている。いまや、だれでもとりあえずはドキュメンタリーフィルムは作れるのだ。

 いまや16mmフィルムでドキュメンタリーフィルムを作る時代でなく、16mmフィルムは好事家(田中長徳氏みたいなね)のものになってしまった。その代わりとしての、ビデオ(それもHDが普通に使えるようになっている)なのである。ということは、いまや誰でもドキュメンタリーフィルムが作れるようになってしまっている時代だし、その映像も何の問題もなくテレビでも、映画でも、勿論ネットでも見られて、それもなんの映像的な問題もなく見られるという、それこそ素晴らしい時代になっているのだ。

 要は、ブログと同じ、映像も普通に作って、普通にネットにUPしちゃう時代なのだ。それでビジネスになるかといえば、それはブログがビジネスになるかという問題と同じである。

 要は、そのアップロードされた映像が他のメディアでも注目されるかということで、それは文章だけのブログと同じであるにすぎない。

 とりあえず、こうした派遣労働というものが、日本の正社員の労働の下にあることは間違いないし、そうした派遣労働が、もともとは(20年前くらいは)正社員よりも(瞬間的には)いい収入を得る手段だったのが、いまや大企業にとってみれば、ラクに自らの就業人員を調整する「いい手段」になってしまっているというのも事実だろう。その、「いい手段」の最初の相手にされたのが岩淵氏たちなのだろう。

 それはしょうがないとしても、しかし、こうした世代を救えない政治って何なのだろう。岩淵氏はそれをネタとして映画を作った人だからいいとしても、そんな才覚すらないひとが大半である。そういう人たちをどうやって救うのかが政治なのではないだろうか。

 この本を読むと、要は昔は山谷、釜ガ崎、寿町という「寄せ場」に集まっていた日雇い労働者の群れが、今や携帯電話を持っていないとダメという状況になって、もはや「寄せ場」にいる連中はもう採用の対象外になってしまっている、ということもわかる。そういえば、確かに山野とか寿町なんて、もはや使い物になりそうもない爺さん・婆さんばっかりがいるものなあ。いいのか、日本。

 携帯電話かよ。

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