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2010年11月11日 (木)

『USTREAMがメディアを変える』のか?

 問題は「何故テレビが面白くなくなったのか」ということなのだ。

『USTREAMがメディアを変える』(小寺信良著/ちくま新書/2010年11月10日刊)

 むかし『お前はただの現在に過ぎない テレビに何が可能か』というテレビマンユニオンを作った萩元晴彦、村木良彦、今野勉という成田闘争を取材して、その取材方法に対して権力から忌避されてTBSを解雇されたディレクター達が書いた本があった。つまり、テレビの同時性・即時性こそがテレビの本来の姿であり、「現在にすぎない」テレビはしかし「現在であること」によって生き生きとし、「現在にすぎないから」権力を批判することができ、そして面白いということを訴えた本である。テレビは「生」が一番ということなのだ。しかし、今のテレビで生番組なんてものはニュースおよびニュース・バラエティ以外にはほとんどない。つまり、録画されて、内容を(権力批判に触れていないかとか、その他)検証されて、編集されたテレビが面白い訳がないのだ。勿論、生番組の緊張感もなく、ただただ中途半端な芸人の面白くもない芸を見せられても、ただただ時間の無駄遣いでしかない。

 そこに登場したのがUSTREAMである。生放送が基本であるUSTREAMが、じゃあ緊張感に溢れたメディアであるかといえば、「ダダ漏れ」という言葉が示すように、ただただ時間を流すだけのメディアには何ら緊張感はない。ただし、面白いのは「ノー編集」でひたすら実況を続けるその超ユルい方法論だ。テレビのような時間の制約がないUSTREAMならではの方法であり、それはそれで面白い。勿論、写されている内容が緊張感の伴うものであれば、それはそれで緊張感のある映像になるのだろうが、むしろそうした緊張感のないのがUSTREAMの特徴である。

 したがって、小寺氏が本書に書くように「ユーストリームがテレビを殺す」というような関係論はないのだが、むしろ、テレビは今の多メディア状況の中で「自壊」していくのだろう。小寺氏によれば、何故テレビが面白くなくなってしまったのかといえば、ひとつは制作予算の削減という近視的な理由があり、基本的な問題はテレビからの「才能離れ」であるという。つまり、『このころ(90年代前半:筆者注)若手として入ってきた人材は、子ども時代からすでにファミコンがあった世代である。自分が制御権を持つ娯楽に慣れた目からすれば、テレビのように決まった枠の中で一方的に流れてゆくメディアは、古くさく見えたのだろう。才能ある人ほど、テレビから離れていった。テレビにこだわらなくても、ゲームやインターネットなど、ほかに活躍の場ができたのである』ということだ。

<(多メディア化による)スポンサー収入の減少→制作予算の削減→制作現場の締め付け強化→制作者の低能力化による番組の低劣化→視聴率の低下→スポンサー収入の減少>という負のスパイラルにとらわれたテレビは、別にUSTREAMがなくても自壊する。多分、近い将来、民放のM&Aによるネットワークの減少という場面がやってくるのではないか。近い将来「NHK2チャンネル+民放2チャンネル」くらいになるのが日本のサイズにはあっているのかもしれない。聴取料を取れるNHKが総合と教育チャンネル、無料視聴の民放が朝日系のテレビ朝日(+毎日系のTBS)と、日経系のテレビ東京(+産経系のフジテレビ)位? ああ読売系ね、あれはNHKに飲み込まれればいい。あの広大なアメリカだって民放4チャンネルしかネットワークがないのだ。日本の「NHK2チャンネル+民放5チャンネル」というのは明らかに多すぎる。

 こんなにテレビ局はいらないよ、というのがスポンサー企業の本音である。チャンネル数が少なくなれば、今よりCMスロットはずっと少なくなって、したがっていまよりずっと高く売れるようになる。そこで、テレビ局は「経営的には」再生する。まあ、問題は番組内容だけれどもね。チャンネル数が減っても今と同じようなくだらない番組ばかり作っているようだと、やはり誰も見てくれなくなるだろう。

 やはりテレビは原点に戻って、「基本は生」という緊張感で闘うべきだろう。その時、初めてUSTREAMなどの新しいメディアと闘う状況が出てくる。「ユルいネットメディア」と闘う「緊張感に溢れた既存メディア」である。そうなれば面白いのにな。

『お前はただの現在に過ぎない』はこちらから;

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