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2010年11月10日 (水)

『こんなに強い自衛隊』つったって、それを支える筈のロジックがこうじゃねぇ

 こういう本を読むのは、私にとってはあまり精神衛生上よくはないのだが、しかし現状認識も必要だろうということで読んでみた。

『こんなに強い自衛隊』(井上和彦著/双葉新書/2010年7月25日刊)

 目次を書く;

第1章 民主党政権と安全保障-緊張感高まる極東情勢-

第2章 自衛隊は軍隊なのか

第3章 陸の守り-陸上自衛隊-

第4章 海の守り-海上自衛隊-

第5章 空の守り-航空自衛隊-

第6章 知られざる自衛隊の民生協力-自衛隊がなければ国家が成り立たない-

第7章 封印されてきた自衛隊海外派遣の真実-世界の人々から歓迎される自衛隊の感動秘話-

第8章 自衛隊がイラクで一人の戦死傷者も出さなかったのはなぜか

第9章 日本VS中国 「もし戦わば・・・」

第10章 「武器輸出」は”悪”なのか?

第11章 靖国神社と自衛隊

 第3章、第4章、第5章なんて感動モノだね。実に「少数」にして「精鋭」な自衛隊の姿ではないか。ここだけ読むと、中国? ナンボのもんじゃい、ロシア? 屁でもないね、北朝鮮? かかってこんかい、ってなもんである。

 がしかし、他の章を読むとなんかおかしい。

『主権の侵害に対しては、断固たる対抗措置を取る決意で望むところが、むしろ紛争を抑止するのであって、中国への遠慮はかえって紛争を誘発することを認識しておく必要があろう。

(中略)

 何より、中国の軍事的脅威が高まる今日、日本の政治家が中国への幻想を捨てて現実を直視することが、日本の防衛力を飛躍的に向上させるのである。それは防衛費増額を必要としない、”最も経済的な防衛力整備”といえるだろう』

 というのは確かにそのとおり。

『国際政治学者エドワルド・H・カー(英1892-1982)は、国家の「力」の三要素として、軍事力、経済力、そして宣伝力=世論を支配する力を挙げている。

 いま、日本に求められているのは、国際舞台における宣伝力の強化である。それはまた、日本の防衛力の一翼を担っていることも、しっかりと認識しておく必要があろう』

 というのもそのとおり。

 つまり、国際交渉力という菅政権が一番不得意とする分野を最も強化しなければいけない。それが防衛関係費つまり国防予算を膨らませずにすむ方法なのだ。経済力では日本は既に問題はない。もはや、自衛隊の存在だけで軍事力による国際的プレゼンスは大丈夫である。問題は政治力によるプレゼンスという問題である。この問題は、鳩山~菅という民主党政権だけの問題じゃなくて、それ以前からの自民党政権以来の日本における大きな問題である。要は、主張すべきところはおおいに主張して、その結果両国の話し合いが生じて、話し合いの結果妥協点を見つけるというのが国対国の「協議」というものである。多分、戦後それをやったのは吉田茂だけなのだろう。日本が独立した際の首相である。当然、アメリカ他連合国の要求は沢山あっただろうが、それと交渉して独立を勝ち取った首相である。

 ところが井上氏によればそれがいけないんだそうである。

 つまり『昭和26年(1951)1月、アメリカのダレス特使が来日し、当時の首相・吉田茂に対して、翌年に控えたサンフランシスコ講和条約で日本が主権を回復した暁には、日本が「再軍備」するとともに、米軍は継続して日本国内に駐留できるようにという申し入れを行なっていたのだった。

 ところが吉田首相は、この提案の前者を断ってしまったのである。

 以来、国を守るために命を捧げてきた自衛隊および自衛官が日蔭者の存在であり続けることになってのであり・・・』

 ということであるが、しかし、いまどき自衛隊が「日蔭者の存在」であるなんて事を考えている自衛隊関係者、自衛官がいるのだろうか。最早、国際貢献をあれだけやってきている自衛隊である。国内の民生協力もほとんど数えきれない数であろう。いまや、日本国内で自衛隊の存在を無視する人はいないはずだ。まさにこれこそ「自虐的自衛隊史観」でしかない。

 それでも、自衛隊を「日蔭者の存在」であると言いたい裏側には「憲法第9条の改正」をしたいという目論見が見えている。しかし、何故憲法第9条を改正したいのであろうか。憲法第9条を改正して「日本が戦争をしてもいい国にしたい」のであろう。そんなに戦争をしたいのか。しかし、もはや国対国の「対称戦争」の時代ではないのだ。中国が如何に日本にタテつこうが、日本と全面戦争なんてやる気はない。北朝鮮がテポドンを日本海や日本を超えて太平洋に打ち込んだと言っても、日本と全面戦争をやる気はないのだ。

 要は、軍事的プレゼンスを示して、国対国の交渉事を自国に有利に持っていきたいが故なのである。

 一方、アジアやアラブで自衛隊が友好的に受け入れられてきているのも、それは第二次世界大戦中の日本が侵略的ではなかったということではない。アジアに対しては完全に侵略であったのだ。それは、各国の史料をみればわかること。じゃあ、何が友好的に受け入れられる理由なのかと言えば、まさに「憲法第9条」なのである。

 憲法第9条で「不戦」という担保があるからこそ、アジア、アラブの人たちは日本の自衛隊を「戦争の為の軍隊」ではなく「平和の為の自衛隊」であるとして受け入れてきているのである。

 もう、「自衛隊」は自衛隊でいいじゃないですか。何故、それを「戦争をする為の軍隊」にする必要があるのだろうか。そんなに戦争をしたいのですか? 

 どうもこの軍事ジャーナリストの一部には「戦争好き」が多くて困る。で、この「戦争好き」な「軍事ジャーナリスト」ってのが、実はまったく戦争に参加した経験とか、せめても軍事訓練を受けているとか、実は戦争に関連した経験を全く持っていない頭デッカチな連中なのだ。この井上氏も法政大学社会学部というどちらかというと左翼(革共同中核派)の巣窟のようなところを卒業して、まあ、よっぽど左翼嫌いになったのだろうな。

 ご愁傷様。

 法政大学の裏には靖国神社もあるしな。

 あ、言っておきますけど、靖国問題は井上氏が言うような対中国問題じゃなくて、国内問題なのである。国内問題として解決する必要がある。中国が何か言ったって関係ないのだ。それを対中国問題として考える井上氏は、本当に対中国でしかものを考えられないバカなのか、ということになってしまうのだ。

 

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