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2010年11月12日 (金)

『脇役物語』は脇役のための話じゃなく脇役を外された人の話なのだ

 何ともヌルいコメディではあるが、このヌルさが面白いのだろうな。

『脇役物語』(原案・脚本・製作・監督:緒方篤/脚本・キャスティング:白鳥あかね/製作:ドリームオン・シネリック/配給:東京テアトル)

Poster

http://wakiyakuthemovie.com/

 まず何故か付いている英文タイトル(もともとが英語のシナリオだったそうで、その時ついていたタイトルなのかもしれないが)が"Cast Me If You Can"である。これはスティーブン・スピルバーグの"Catch Me If You Can"のパロディなのであろう。しかし、ストーリーは別に詐欺師とFBIの追っかけっこではないし、まあ単純な「脇役は脇役人生ってものがあるんだ」てな話である。ところで"Catch Me If You Can"というのは直訳すれば「出来るもんなら捕まえろ」ということであり、要は「鬼さんこちら」である。"Catch Me If You Can"はまさにそういう映画だったのだが、しかしこちらは「キャスティングできるものならやってみろ」という風に勢いがあるわけでもなく、むしろキャストを外されてしまった脇役俳優の「存在感」はどこにある、というのがテーマであるように見えてしまう。

 まあ、最後のところで益岡徹演じるヒロシが、本来自分がやるはずだったウディ・アレンの翻訳映画を主人公を譲った永作博美が演じるアヤによって「脇役」を得るというところでオチがあり、そして二人のキスシーンで終わるというのは、まさに「お約束」のオチではあるのだけれども。う~ん、なんかこのオチって洋画っぽい。しかし、主役が男から女に変わっても成立するウディ・アレンの映画って、何だろう。そんな作品ってあったっけ?

 それにしても、この映画は色々な意味で恵まれた映画なのであろう。とにかく、主演の益岡徹自身は普段脇役専門の役者であり、今回は初めての主役といういわば「メタ主役」。その他の脇役に津川雅彦、松坂慶子、台詞のない乞食役に柄本明、という主役級の役者を揃え、あとは佐藤蛾次郎やイーデス・ハンソンなどの名脇役を配置。主人公の相手役は永作博美という微妙なキャスティングはすべて白鳥あかねさんのものなのだろうか。ま、看守役の白鳥あかね自身は自分のキャスティングなのだろうけど。

 まあ、緒方篤監督があの緒方貞子さんの息子だからこんな映画が出来ました、とは思いたくはないが、でも、少しそんな思いもある。まあ、しかし叔母さんの遺産が入ったから『死刑台のエレベーター』を作ったルイ・マルの例もあるように、要は、面白い映画を作った人が勝ちなのだ。では、『脇役物語』が『死刑台のエレベーター』になっているか、といえば・・・。

 緒方篤が今後日本で喜劇を作っていきたいのなら、こうした「お約束の結末」に終わる欧米的な喜劇じゃなくて、もっとハチャメチャな結果になる喜劇、山田洋次の「寅さん」以前の喜劇や、東宝の「無責任サラリーマン」シリーズのような路線を目指すべきなのであるが、多分、アメリカ生活が長い緒方篤にとってはそのような感性は難しいのかもしれない。だとしたら、やはりアメリカでコメディ作家として名を成すほうが向いてるのかもしれない。

 少なくとも、『脇役物語』の面白さは、日本的な吉本喜劇やちょっと昔のデン介劇場の面白さではなくて、シェイクスピア的な面白さなのである。つまり、そのくらい英米の面白さに通用している人じゃないと、この映画の面白さには気付かないのだ。

 特に、今のテレビの芸人たちの面白さしか知らない、今の若い人たちにはまず無理であろうな。まあ、この人たちに「本当の面白さ」を言っても無駄なんだけどね。人と人が演じている「本当の面白さ」を知っているのは、多分、いまどき「寄席」に行っている客かもしれない。寄席でしか演じられない落語や漫才って、テレビでは絶対見られない面白さがあるのだ。

 ということで、『脇役物語』は、あまり期待して見に行ってはいけません。しかし、そこそこの作品というか、「お約束」の喜劇として見に行けば充分楽しめます。特に、この作品では脇役をやっている、本来なら主役の役者がイイです。柄本明なんてセリフが全然ない乞食役なんですよ。最高でしょう。

 益岡徹はまあもはやおじさんだし、永作博美もセクシーな女優さんじゃないし、あとはおじさん&おばさん俳優が沢山でるだけっていう映画はヒューマントラスト有楽町他で公開中です。まあ、ほんわか気分になるところだけは保証しますけどね・・・。

 それとも、増岡徹や永作博美が出ることになっているというのが、ウッディ・アレンのコメディ・リメイクなのだから、この作品自体がウッディ・アレン物のパクリかパロディになっているともっと面白かったのにね。

 ヒューマントラストシネマ有楽町他で公開中。

 ホームページはこちら;

http://wakiyakuthemovie.com/

 

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