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2010年11月26日 (金)

路上の全共闘1968

 10月26日のブログ「『全学連と全共闘』ったって、一緒にはできないのである」について、著者自らのコメントがついたので興味を持って購入した。

『路上の全共闘1968』(三橋俊明著/河出ブックス/2010年6月10日刊)

1、全理事は総退陣せよ

2、経理を全面公開せよ

3、検閲制度を撤回せよ

4、集会の自由を認めよ

5、不当処分を白紙撤回せよ

 というのは何だか知っていますか? それは「日大闘争」の要求項目なのだ。もともと、大学当局(古田重二良理事長)の不正経理の発覚から起こった日大闘争である。だから、一番目と二番目の要求項目は当然であろう。しかし、三つめと四つ目はいかにも日大闘争らしい要求項目である。「えっ? 今どき検閲制度? 集会の自由?」という発想は自然である。しかし、そんなプリミティブな要求が出るような日大闘争だったということは、確認しておく必要があるだろう。そう、大学として本来許されるはずの自由な討論とか、自由な言論、自由な集まりなどすべてが禁止されていた大学があったのだ。それも、日本で最大の大学で。つまり、ここが東大闘争と違ったところで、東大はそんな基本的な学生の権利は認められたうえでの闘いであり、なおかつ日本の最高学府での闘いであったということだ。従って、東大闘争はまず自らのそんな最高学府にいる学生という立場を自己否定しないと闘えないという、まさに三橋氏が書く通り,東大及び東大生とは『小、中、高校とお勉強に主体化し、教師の言いつけを守り、隣人を蹴落として優等生として生きてきてしまったというのだから、その鈍さは計り知れない。併せてその道のりが、帝国主義への道を歩む日本国が最も望んでいる、お国の役に立つ人物像への足跡だったというのだから、どうにも始末に悪い』存在なのだ。

 それに比較すれば日大闘争は明確だった。要は『できのよい子は東大に進学して大学教授や政治家や経営者となり、できの悪い子は例えば日大に進んで中間的な労働者への道を歩まされることになっていた』日大生の闘いは単純に、下の階級からの階級闘争だったと言えるのである。日大のマンモス化はそんな中間労働者と零細企業・中小企業の経営者を大量に育てる為の目的に合致していたのである。

『日大闘争とは、大学に諸々を要求した民主化運動ではなく、バリケードを構築して日大全共闘がその場所を自ら治める「直接自治運動」として経験されていった』と書く通り、勿論、諸要求はあるのではあるけれども、それはきっかけにすぎず大事なのはこの「直接自治」というものが可能であるということの証明なのだろう。まさに、大学自治会という戦後民主主義の象徴であるものがなく、従って全学連なんてものとは縁のない日大らしい闘いなのである。まさに「歴史の不均等発展」の象徴のような出来事なのである。

 代理民主主義である戦後民主主義を乗り越えて、直接民主主義の可能性を僅かながらでも知ることになった日大の学生たちは幸せである。しかし、その後の日大はまたもとのような世界に戻ってしまった。勿論、三橋氏がいたころのようなむき出しの圧政はなく多少はマイルドな形にはなっているけれども、それは却ってことをややこしくしている。実は昔とは何にも変わっていない日大の姿がそこにはあるのだ。それに対する「責任」というものは三橋氏ら日大全共闘の人たちにはあるのだろうか、ないのだろうか。

 難しい問題だ。

 で最後に、日大の法学部、経済学部、理工学部というのはキャンパスがない学部なのだ。つまり、大学は街中のビルだけという有様。だから、「路上の全共闘」になってしまうのだな。ということではあった。

 

 

 

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コメント

ご批評いただき、ありがとうございます。
とりわけ、日大全共闘という出来事について“『日大闘争とは、大学に諸々を要求した民主化運動ではなく、バリケードを構築して日大全共闘がその場所を自ら治める「直接自治運動」として経験されていった』と書く通り、勿論、諸要求はあるのではあるけれども、それはきっかけにすぎず大事なのはこの「直接自治」というものが可能であるということの証明なのだろう。"と、読んでいただいたことに、心より感謝と「連帯の挨拶」を送らせていただきます。
これからも、1968年という時代を、私とは別なアングルから覗いていた貴兄から、さらなる問題提起をいただければと思っております。    著者拝

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