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2010年11月23日 (火)

1970年、二十歳の憧憬

 昨日の記事で書いたハービー山口の、まだプロの写真家になる前の学生時代の習作写真集である。

『1970年、二十歳の憧憬』(ハービー山口著/求龍堂/2010年)

 昨日書いたハービー山口が20歳の時に付き合っていたという14歳の中学生の女の子も写っている。公園らしきところでバレーボールをやっている少女は、写真が写るにつれて少しずつ成長し、数ページあとの写真は多少大人びてきている。多分、最初の公園での写真はまだ小学生か中学に入ったばかりの頃であろう。それが数ページあとでは中学の3年生あるいは高校生くらいの感じか。硬い感じを残した多少大人びた少女の写真には、その付き合った時間というものが写っている。

 その他の写真も概ね撮影順に掲載されているのだろうか、はじめの方は高校生のハービー山口が友達を撮影したような感じの写真があり、大学に入学して写真部に所属するハービーがやはり大学の学友たちを撮影した写真があり、そして沖縄の写真、学生運動の写真があり、そしてテーマを見つけて撮影したような、少年少女を写したもの、老婆たちを写したものなどが順番に出てくる。

 それらの写真に、40年前の自らの記憶を思い起こさせる懐かしさを感じるのも良いし、あるいはそこにハービーの育ってきた歴史を見るのも良い。

 私よりも1歳年上のハービーの育ってきた歴史は大体私と似たり寄ったりのようだ。東京の大田区という下町に生まれ育ったハービーと、足立区という場末に育った私とでは似たような育ち方をしたのかな。ただし、私の場合はハービーのような重い病の経験はなく、殆ど健康な育ち方をした。ただし、親がハービーのような商社員ではなかたっため、ハービーが父親から受けた薫陶は私の場合はなかった。

 小学生で絵画を習ったり、写真クラブに所属していた私は、大学生になり映画という面白い存在に出会い、自らアルバイトした金でボレックスという16mmカメラを購入して、ドキュメンタリーフィルムを多く撮影していた。まだ麹町にあった日本テレビでバイトをしていた頃である。考えてみれば、小学生のときの写真撮影の記憶が映画へと向かったのかもしれない。したがって、映画を観ることよりも自ら制作することのほうへ向かった。それが現在の写真趣味になっているのだろう。しかし、スチール写真はいいな。こうやって習作時代の本ができるのだから。映画じゃそうはいかない。というか今や映画なんか見ることができなくなってしまっている。もう、テレシネをしてDVDにでもしないとなあ。

 ということで、スチール写真をずっとやってきた奴はいいなあ、ということである。基本的にスチールは写真家ひとりでできる世界だ。しかし、同じ写真を使う物であっても映画は同じにはできない。ドキュメンタリーフィルムであっても映画にはシナリオがある。というよりも、スチールだってシナリオはあるのだが、その存在はあまり多くを語らない。どちらかというと、行ってそのままを撮るのがドキュメンタリーフォトのように思われている。しかし、そうではなくて、あらかじめ決定されたシナリオに沿ってドキュメンタリーフォトも撮影されているのが実際なのである。当然、写真家の頭の中には、自分が撮る写真の内容をどのような方向に向けて写すのかということは十分わかって撮影しているのである。それが「プロ」としての写真の撮り方である。

 そんな、アプリオリの方法論なんかないところが、この写真集の良いところだ。取り敢えず、なんでもいいから撮ってしまえというやり方。このころのハービー山口(多分、まだハービーという名前を名乗っていなかったのだろうが)の方法論がそのやり方である。それはそれでO。

 気になるのは、最初の方で撮影している少女についてなのだ。その後、ハービー山口と少女はどうなったんだろうなぁ。

 

 

 

 

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