『日本のカジノはこの街にできる』って、どの街よ
基本的には大賛成の日本カジノ構想なのだけれども、何故か腰が引けてるんだよね。
『日本のカジノはこの街にできる』(伊丹治生著/マイコミ新書/2010年10月31日刊)
というタイトルなのだけれども、どうも慎重論のような気がする。まあ、法案提出まで間近になってきたので慎重になっているのかもしれないが、まあ、そんなに法案に影響しない本なのだから、もっと言いたいことを言ってもいいのじゃないか。もっと、じゃんじゃん日本にカジノを作れといっても・・・。
所詮、日本にはカジノ(ルーレットやバカラ、ジャックポットといった)はないけれども、競馬やら競輪、オートレース、ボートレースといった「博打」はあるし、それこそパチンコやパチスロなんていう「博打」も(法的には「遊戯施設」ということになってはいるが)あるのだ。何を今更ギャンブルについて規制をする必要があるのだろう。
煙草についてはニコチン依存症、酒についてはアルコール依存症というのがあって、それぞれその害が伝わっているが、政府がそれをやめようということはない。例えば禁酒法を施行したアメリカがその結果マフィアの力をつけることになって、結局じゃあ政府が管理して税金をとる方がいいじゃないかということになったのだな。ということで、煙草にしても酒にしてもそれぞれの依存症という問題もあるけれども、結局は「税収」の方が大事だから国はそれほど問題にしてはいない。同じく、ゲーム依存症とかギャンブル依存症なんてものも同じなのだ。要は、税収が上げられれば何でもいいというのが政府の考え方なのだから。韓国がパチンコを規制しているという理由がやはり「ギャンブル依存症」なのだそうだ。しかし、その韓国がカジノを認めているのは何故だろうか。それは、やはり「税収」であろう。
ということで日本にもカジノを作りましょうよ。で、取り敢えずはどこに作るのというのが問題になっているのだな。
序章 カジノは本当に必要か?
第1章 カジノが地方を再生する
第2章 カジノ合法化の問題点とその対策
第3章 アジアのカジノ、世界のカジノ
第4章 カジノ合法化をめぐる動き
第5章 日本各地のカジノ計画
終章 理想の日本型カジノ
以上が本書の「目次」なんだけれども、さすがに著者自身のギャンブル依存症のことには触れていない。
しかし、要は日本にもギャンブル施設としてのカジノを作るべきだという発想であり、それが何の問題もない統合型レジャー施設なんですよということに主題はおかれている。しかし、ギャンブル場であることは間違いないだろ。で、いいじゃないか。所詮、カジノはギャンブル場なのである。賭場なのである。それがヤクザが仕切っている場所でやるのか、そうじゃなくて政府公認の会社がやるのかという違いでしかない。賭場に賭ける人間にとってはどっちでもいい。要は自分が勝てればいんでしょ、ということなんだけれども、実は客は胴元には絶対勝てないというのがギャンブルの基本なのだ。その構造は本書にも書かれているが、まさにその通り、まあ、ギャンブルなんてものはそういう世界なのである。しかし、そんな世界にも挑戦してくる人々がいる。それが、ギャンブルの世界なんだろう。
私自身はギャンブル全然駄目(株でも駄目、ビデオでもβ、でコンピュータはMac買った時点で負け人生ですね)人間なので、偉そうなことは言えないのだけれども、少なくともギャンブル規制に対しては税収の関係から反対なのである。そうギャンブルで人生壊す奴は始めからダメな奴なのだから、それこそ自己責任で勝手に壊れればいいのである。
とにかく、どこが最初のギャンブル場になるのだよ。それが一番の興味なのだ。
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