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2010年10月19日 (火)

『ハゲとビキニとサンバの国』でも「デキない」男っているんですよね

 本来は建築が専門のテーマだったのだが、最近は「関西性欲研究会」などの民俗学的なテーマの方で有名になってしまった井上章一氏の新刊は、やはりそっちの方の書籍なのであった。

『ハゲとビキニとサンバの国』(井上章一著/新潮新書/2010年10月20日刊)

 ブラジルのリオデジャネイロ州立大学日本語学科に招かれて渡伯した井上氏が体験したブラジルから逆に日本を見るというスタイルのこの本だが、しかし井上氏はどちらの研究でブラジルに招かれたのだろう。この学科からすると多分「すけべな井上章一」のほうなんだろうな。であるならば、こうした本のテーマもOKなのかもしれないが、まあそれはどちらでもよいか。

 しかし、ハゲが日本ほど嫌がられないというのはブラジルだけでなく、欧米全体がハゲには寛容であり、デブなオバチャンでもビキニを着ちゃうのもやはり欧米では当たり前である。まあ、サンバだけはブラジルだけの現象だろう。

 で、「ひもビキニ」である。『そして、中年のおばさんも、体型のゆるんだ女性もそういったビキニを着用していた。かなり太い人でも、それで海辺をあるいている。ひもが肉にくいこみ見えなくなっているようなおばちゃんも、いなかったわけではない』という「ひもビキニ」の流行というか「当たり前」の姿として見えているイパネマ海岸の様子に対して「男に対する媚態」という見かたはしない、つまりそれは『かつての高級リゾートでは、新参の下層民が、我が物顔にふるまいだす。下男や下女としてつとめる人々も、なかにはけっこういるのだろう。体型のゆるんだ女性がおおぜいいるのも、そう考えればうなずける』ということ。つまりは、階級社会であるブラジル(アフリカとアメリカの〈奴隷の〉三角貿易の拠点がブラジルだった)も、その後の経済開放の波に乗って階級は次第になくなってきて、いまやイパネマの海岸はそんな「労働者のための海岸」になってきたということなのだろう。

 もはやアントニオ・カルロス・ジョビンが描いた「イパネマの娘」のような「男に対する媚態としてのひもビキニ」という世界はないということなのだ。で、アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトというボサノバの巨人たちはいまや過去の人になっていて、いまや普通のポップスやロックが当たり前のようにブラジルの若者の中では通用してるという事実も、まあそんなことだろうと言う気もしてくる。いまや、日本であっても演歌なんてものはどこかに行ってしまっていて、ようはJ-POPだとかいうものが普通にヒットしている時代なのである。こうして音楽の世界も次々に新しい流れが出来てきて昔のものはどんどん廃れていくのである。とにかく「過去の人」をどんどん生み出していく「流行」という世界なのだ。そういう意味ではボサノバというのも「流行」のひとつにすぎなかったのかという気がする。むしろブラジルよりもアメリカ(ニューヨーク)での流行の方が、ボサノバの本筋なのかもしれない。渡辺貞夫も別にリオに行ってボサノバに感化された訳ではなく、ニューヨークでその影響を受けたわけだしな。じゃあ、ガトー・バルビエリはどうなんだ、と書いて気がついた、ガトーはアルゼンチン人なのだよね。

 でも、ガトー・バリビエリの「ボサノバに影響されたフリージャズ」っていうのもとても興味のあるものだし、サンタナとコラボした「ヨーロッパ」の演奏も面白いですよ。って、でもこれは今回のテーマと関係がないので却下。

 いずれにせよ、井上氏がデブなおばさんがビキニを着ていることに違和感を覚えたのは確かであるが、そのビキニの下の体に興味がなかったのかなあ、というのが不思議。

 ひもが『肉にくいこみ見えなくなっているようなおばちゃん』の裸の体にも興味を持たなければいけないんじゃないですか? 「関西性欲研究会」のメンバーとしても、もうひとつ「ブラジルにいるおとこ」としても、それがブラジルにいる男としての女に対するマナーなのじゃないかな。

 デブのおばちゃんでも結構「イイかも」しれないよ。

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