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2010年9月 4日 (土)

『撮る自由』は撮られない自由とともに。公表する自由は公表されたくない自由とともに。

 まあ、公共の場所で写真撮影し、それに人が写っていたって何の問題もないはずなのだけれども、いちいちそれにイチャモンをつける人がいるというのは、本当に写真家(プロもアマチュアも)にとってはやりにくい社会になったもんですね。ということだろうが、そんなことはまったく気にせずに街中で写真を撮っている私がいる。

 それが正解であるのだけれども・・・。

『撮る自由』(丹野章著/本の泉社/2010年6月20日改訂版刊)

 写真家の丹野氏が言う「撮る自由」というのは、逆に言えばその被写体になった人からは「撮られない自由」が存在するわけだ。その「撮られない自由」というものが何を根拠にしているのか、というのが本書の主題である。

「肖像権」というものが、何を根拠にしている権利なのかということで言えば、基本的には「パブリシティ権」という「商業的な権利」であろう。つまり、芸能人などの「知名人」はその姿を大衆に見せて(プライバシーを切り売りして)自らの糧とするわけである。したがって、そうした知名人には自らを人に見せる権利としての「パブリシティ権」があるわけで、そうした人達が自らの人前にさらす状況を自らコントロールしたいと考えることは充分理解できる。勿論、そうした人達が社会的に問題ある行動を起こした際には「パブリシティ権」は消滅し、人から糾弾されるというリスクを一方で持っているわけである。

 いっぽう、そうした知名人でない一般の人達にとっての「肖像権」とは何を根拠にしているのだろうか。多分それが「プライバシー」ということだろう。この人達は「プライバシーを切り売り」する必要はない。つまり「プライバシーを守る」だけでよいのだ。ところが、こうした人達がプライバシーを守れない場所にいるときはどうなんだろう。つまり、普通に外出しているときとか、一般的に顔をひとにさらけ出している場合、公共の場所にいるときである。「プライバシーを守る」というのはプライベートな場所にいるときにその姿をひとに見られたくないということだろう。だとしたら、それ以外の公共の場所にいる際には「プライバシーを守る」ということはあり得ないということだ。

「個人情報の保護」というが、それはあくまでも「撮影された」個人が、その個人を特定できる人物がいて、その「撮影された写真が何らかの形で公表されたときに、その撮影された人を特定できる」という状況が起こって初めて「個人情報の保護」という問題が生じるのである。それが知名人でない一般の人が撮影されてそれが公表されても、その人を特定できる人物がいる場合はそれほど多くはないはずだ。だとしたら、「撮影」という行為についてのみ拒否をするという理由はなくなってしまう。

 丹野氏がこうして「撮影」と「公表」を分けて考えるというのは、なかなかリーズナブルな考え方である。

 一般の人が「街で撮影されることを拒否する」のは勝手であるが、そえについていちいち理由をあげることはやめたほうがよいだろう。つまり「プライバシー」は当然公共の場所にいる以上はないはずだし、「個人情報の保護」も「撮影されただけ」では問題はないはずなのである。

 街中で写真撮影を拒否する人というのは、いわば「街中のクレイマー」みたいなもので、要は、「撮られて気分が悪い」ということなのだろうけども、そんな「気分が悪い」状況になったのは自らの行いが悪いのであって、写すほうはそんなに気にしなくてもいいんじゃないの、というのが本書の主旨であろう。しかし、そんなことは考えずにNOを言う人は多いわけで、まあ、とにかく写真家にとってはやりにくい時代ではある。

 まあ、クレイマー社会である現代は写真家にとって生きにくい時代であることは確かだけどね。

 でも、そんなこと気にしていて写真が撮れるか!

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