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2010年9月17日 (金)

写真を撮らない写真家がいてもいいじゃないか

 著者の大和田良氏はちょっと変わった経歴の写真家である。

『ノーツ オン フォトグラフィー』(大和田良著/リブロアルテ発行・メディアパル発売/2010年7月31日刊)

 普通、写真家というと子どものころからカメラが好きで、写すのが好きで、それで写真関係の学校に行き、写真家になる、というパターンが多い。したがって、大体写真家というのは「写す人=カメラマン」という感じだ。特に報道写真を目指す写真家はその方向に向かう。私なんかも写真というと「ドキュメント」というイメージを持っている「古い」世代なので、そうした写真家のイメージが強い。

 しかし、大和田氏は写真工芸大学に入るまでは写真に特別興味があったわけではなく、バンドなんかをやっていたということである。勿論「表現する」ことに対する興味は十分あったわけだが、それは若者としてのごく普通の興味の持っていきかたであり、おおかたの若者は何かしら「表現」への希求をもっているものだ。それはまさに「なにかしら」でしかない。

 したがって、大和田氏が写真工芸大学に入学した動機というものも、単に「表現を志す友達と一緒にいたい」というものであった。まあ、日大芸術学部は落ちるわけだな。

 ということで、大和田氏の写真に対する考え方は「写真=撮影すること」ではなく、「写真というものは、撮影し、現像し、プリントする」総合的な表現技法なのである。というよりも大和田氏が写真学校に入り最初に興味をもったのは「プリント」である。プリントによる写真表現ということになると、まず向かうのは「写真の絵画的表現」の方向である。しかし、そんな絵画的写真であっても、最後は「いい写真」が撮れなければ「いい写真」にならないわけで、やはり「撮る」行為に向かうのであろう。

 しかし、本書にも収められている大和田氏の写真はどちらかというと「コンポラ写真」のようなスナップが多い。勿論、普段は雑誌やCDジャケット、ポスターなどの「ものを(意味を)伝える写真」が大和田氏のフィールドであるらしいので、それなりの撮影テクニックは持っているはずだし、表現者として十分やっていけるだけのセンスも持ち合わせているのだろう。が、やはり大和田氏のメイン・フィールドは「撮影し、現像し、プリントする」という総合的な写真表現に向かうのであろう。それこそ、写真を撮るのはカメラマン、現像しプリントするのはプリント師みたいに、アンリ・カルチエ=ブレッソンとピエール・ガスマンみたいになって、おまけにピエール・ガスマンの方が偉くなったりして。そうなると、写真の著作権は「撮った人」にあるのか「プロセスをした人」にあるのかわからなくなったりしたら面白い。

 こういう写真家がいるのだという興味。まだ、31歳という若い写真家がこれからどんな写真を作っていくのだろうか。興味がある。

 

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