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2010年9月 3日 (金)

「革命の街」だった新宿にいま吹く風は?

 1960年代から70年代の新宿と言えば革命の街だった。その為には猥雑さと暗さと汚さが必要だった。それらの性と文化と酔っ払いの街に生まれた平井氏が新宿高校全共闘の闘いに入るのは、まあ必然だったのだろう。

『愛と憎しみの新宿』(平井玄著/ちくま新書/2010年8月10日刊)

 風月堂、新宿文化、蠍座、ラシントン・パレス、内外ビル、四谷公会堂、模索舎などなど、最早新宿になくなってしまったものを数え上げればキリがない。ジャズで言えば、ピットインも現在は場所が変わってしまい、タローもないし、汀もすでにない。そうした新宿を象徴する存在のすぐ脇、新宿二丁目に生まれた平井氏がうらやましい。私は足立区で育ったために新宿までは遠い。しかし、大学へ入り麹町のテレビ局でアルバイトを始めてからは、新宿はかなり近い街となり、よく通ったものだ。

 1952年生まれの平井氏は、だから学校群2期生である。新宿高校というそれまでのナンバースクールに入学したものの、大学入試には突撃せずに学園闘争の方に気をとられたのは、あながちたまたま新宿高校のそばに生まれたから入学したのだというだけではなく、やはり新宿育ちという環境のよってするところなのだろう。まさに「革命の街」のど真ん中で生まれ育ったのだから。

 ただし『1969年の6月に結成される新宿高校全共闘の中心部隊は68年に入学した私たちの学年である。塩崎(恭久)や坂本(龍一)に馬場憲治という強力なトリオがいた上の学年は10人ほど、下の学年はもっと少ないから20人以上は動いた私たちを「中心部隊」といってもどこからも文句はでないだろう』というけれども、しかし、本来の高校全共闘の中心部隊はやはり1951年生まれ67年入学の学校群第一期生だろう。まあ、手足として動いたのは1952年組かもしれないが、やはり頭脳部分は1951年組なのだ。新宿高校も同じだったはずだ。

 だからと言って平井氏の存在を軽く見るわけではない。ただし、あまり自分たちだけを中心に据える考え方をすると、問題を起こしそうである。別に、平井氏の学年が中心部隊じゃなくてもいいじゃないか、立場は認めるからさ、ということである。それとも「中心部隊」じゃないとマズいことでもあるのだろうか。それについては本書では語られていない。

 つまり『1968年にこの街の高校に入学し、折から巻き起こった全共闘運動に身を投じて以来、長い間にわたって「新宿二丁目の洗濯屋の息子」とは一体どういう存在なのだ? と自問し続けてきた』という平井氏、その「折から巻き起こった全共闘運動」という言い方が、まさに平井氏がその中心部隊にいなかったことを象徴しているのではないか? 自ら巻き起こした全共闘運動ならばそんな言い方はできないはずである。多分、新宿騒乱なんかをすぐ近所で体験した平井氏が新宿高校全共闘に参加することはよく理解できるが、それはあくまでも他動的な理由によるものだっただろう。勿論、だからといって「あなたは革命的ではない」というつもりはないが。

 ともあれ、すっかり姿を変えてしまい、当時の面影を残す場所は殆どない現在の新宿である。ただし、新宿二丁目にだけは猥雑さが少しだけ残しているとも言われる。しかし、そこにはすでに「革命」はなく、単なる猥雑な性と酔っ払いがあるだけである。「文化」はない。

 はたして、今の東京のどの部分に「革命」は宿っているのだろうか。

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