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2010年8月 3日 (火)

代々木と代々木と反代々木でマルクスを語るとどうなるか

 バリバリの日本共産党員であるかもがわ出版の編集者・松竹伸幸氏がマルクス経済学者の石川康宏氏とマルクス主義者ではないが左翼の内田樹氏を巻き込んで、高校生にマルクスってこんなに面白いよ、と薦めるのが本書である。

『若者よ、マルクスを読もう』(内田樹・石川康宏著/かもがわ出版/2010年6月20日刊)

 基本的には、石川氏がマルクス書についての「高校生にも分かり易い」解説とコメンタリーを書き、それに対して内田氏が同じマルクス書の内の面白い一節を引き出して「ほら、こんなに面白いでしょう」と書く、往復書簡集なのだ。

 紹介するマルクス書は『共産党宣言』『ユダヤ人問題によせて』『ヘーゲル法哲学批判序説』『経済学・哲学草稿』『ドイツ・イデオロギー』の5作。基本的には、マルクスがまだ哲学者だった頃の作品で、経済学者マルクスにいたる時代の前に書かれたものだ。経済学者としてのマルクスにはいろいろ問題もあるが、哲学者としてのマルクスにはまったく賛成だ。

 いずれも私が高校生のときに読んだ本である。なにしろ、当時はこのぐらい読んでないと「お友だち」とお話しできなかった時代なのだった。とにかく、内容もわからずに、でも一生懸命読んでいたのだった。そして、『資本論』になって遂に挫折。『資本論』は第1巻までしか読んでいない。しかし、大学に進んで「経済原論」でマルクス経済を選んだら、内容はまんま『資本論』の第1巻、学んだことは既に読んでいたことばかりで、なんとまあ大学の授業ってレベルの低いことをやっているんだろう、という感想をもち、以降、マルクス経済学からは離れてしまった。

 しかし、マルクスはまだ難解だ。この本を読んだからといって「マルクスが高校生にも読みやすく」なったり「やあ、マルクスって面白いなあ」ということには、なかなかなりそうもない。マルクス入門書というのもいろいろあるのだが、基本的にはマルクス経済学者、マルクス哲学者の力の限界なのだろうか、なかなか「読みやすいマルクス入門書」というのはない。この本もやはり限界があり、石川氏の解説やコメンタリーも「いまどきの漫画しか読まない高校生」にはちょっと難しいかもしれない。マルクス・ブラザースじゃないからね。

 でも、いまどき時代錯誤のように「マルクスを読め!」というのも面白い。というか、ソビエト連邦の体制が崩壊した今だからこそ、純粋にマルクスを読める時代がきているのだが、時代はマルクスには裏向きだ。

 更に面白いのは、代々木系の御用学者・石川康宏氏と、元反代々木の内田樹氏が、たまたま同じ神戸女学院大学の文学部の同僚だというだけで、あるいは年一回やっている「極楽スキー」(詳しくは本書で)の元幹事と現幹事という関係だけで、マルクスについて語るということである。代々木と反代々木という本来は犬猿の仲のようであるが、同じ大学の同僚というのはそうでもないのであろうか。まあ、普段からのつきあいがあってのことなのだろうが、本来はこうしたことはあっても良いことなのである。

 これが東大の教授同士だとこうはいかない。結局は喧嘩になってしまうのだ。う~ん、この辺は「関西」だなあ。

 

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