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2010年8月17日 (火)

みんな貧乏だった時代の話は、逆に豊かな時代を表している

 そのほとんどは「貧乏話」なのだが、要は、江戸時代という時代の「庶民」というものは、皆貧乏であり、しかし、皆が皆貧乏だったので別に貧乏が当たり前となってしまえば別に苦労話にはならずに、意外と陽気に暮らしていた、ということなのだ。

『江戸の気分』(堀井憲一郎著/講談社現代新書/2010年8月20日刊)

 本書は講談社の雑誌「本」に『落語の向こうのニッポン』というタイトルで連載していたものをまとめたもので、おなじ講談社現代新書の『落語の国からのぞいてみれば』に続く第二弾である。

堀井憲一郎氏は京都出身で現在は東京在住ということなので、上方落語にも詳しいし、江戸落語の世界にも通じている。もっとも、上方の方は殆ど桂米朝と桂枝雀のネタばかりなのは少し残念。確かに、米朝、枝雀と言えば上方の名人にして古典の発掘に尽くした人なので、この二人を追えば上方落語の世界は大体わかるというのも事実であるが。

 しかし、貧乏話ばかりが多いのも当然で、昔は現在と違い「金銭」というものが経済の中心(物の価値)にはなかった、というか「庶民」の中にはなかったということなのである。これは、商業都市大坂でも政治都市江戸でもそうだった。ましてや田舎のほうへ行ってしまえば、もっとそうだった。「金」が経済の中心にはなかったということは、どういうことなのか。「物物交換」がまだ充分残っていたわけだし、「金」ならぬ「情」だったり、「人」だったりが経済の中心(物の価値)にあったのである。また「金」で支払うものも「掛け売り」が当たり前であり、通常は「金銭の授受」というものはほとんどなかったのである。こうした経済のあり方が世の中の中心にあったということは、当時の人は「移動がなかった」ということなのである。「移動」がないから、その時その時で決済が出来る「金」を介在させずに、世の中が回っていたのである。こうした「人の移動がない」時代とはどういうことか。つまり、それは「停滞」していた時代であるということだ。

 こうして、江戸時代は世の中が大いに停滞しており、それは逆に安定していた時代でもあったということであろう。徳川治世260年の大半はこうして安定した時代であり、つまり身分制度は安定して、他の階級に手を出さなくてもすんだ時代でもあった。したがって、その安定した階級制度のなかで大いに「庶民文化」というものも繁栄し、落語なんかも生まれたわけですね。

 しかし、徳川治世も終わり頃になると、そうもいかなくなる。商業資本が力をつけ、人の移動が激しくなる。そうなると、今度は「金銭」が経済の中心になり、明治維新以降現在まで続く資本主義社会では「金銭のみ」が人の豊かさの源泉となり、金融が世の中の中心になる。物事のすべての価値を「金額」で表すようになる時代は、しかし140年たってそろそろまた終わりになってくるのではないだろうか。明治維新以降の日本資本主義も、最近のIT革命でグローバル化を迎え、経済のグローバル化は金銭以外の価値体系を持ち込むようになるのではないかという思いがしている。

 様々なNPO法人の中ではボランティアが大きな部分を占めているし、様々なコミュニティ(ITも含めた)ではその中だけで通じる「通貨」が存在する。それら種々の価値体系の中で、いろいろな通貨が使われるということになると・・・。ということである。

 そろそろこの「金銭価値体系」も大分綻びてきているしね。

 

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