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2010年8月 2日 (月)

外人力士は現代のマレビトである

 ガイジン力士の活躍というのは、相撲の歴史から考えて当然のことなのかも知れない。

『相撲の歴史』(新田一郎著/講談社学術文庫/2010年7月12日刊)

 本書の親本は1994年6月に山川出版社から刊行された著者最初の著書である。しかし、新田氏の本業は東大教授で日本法制史が専攻である。ただし、同時に東大相撲部の部長も務めており、まあ趣味の本なのであります。趣味の本が専門の本より先に出ちゃうというところが、いかにも趣味の本の趣味の本らしいところなのだが。趣味のほうが楽しいからね。

 さておき、そうは言っても実に真面目な本である。そうした真面目な本をネタに茶化しちゃおうというのだが・・・。

「相撲の起源」は日本神話の時代まで遡って伝えられる。つまり、「『遠来のマレビトが土地の悪しき精霊を鎮める』という民間信仰のモチーフを『相撲』(力くらべ)を媒介にいわば換骨奪胎し、外来者による征服=天皇支配の由緒を語る説話として再構成した」という『古事記』の書き方。あるい野見宿禰(ノミノスクネ)と当麻蹴速(タイマノケハヤ)の「力くらべ」の逸話が記されている『日本書紀』の書き方。等々、あたかも相撲が日本の「国技」であることを裏付けたいが為の書き方があるのだが、しかし、これをもって相撲が日本の国技であるという証拠にはならない。単に、日本各地にある「マレビト神話」にすぎないのだが、そのひとつをもって天皇支配の正当性を主張しているにすぎない。

 当然、当時の「相撲」は現在の土俵上で行われる「格闘技」ではなく、単なる「力くらべ」として、世界中のどこにも見られる「格闘技」の原型でしかないし、現在「国技」と言われているのは、明治42年(1909年)に相撲の常設館が本所元町に建設されたときにそこを「国技館」と名づけたからにすぎない。

 現在に繋がる「相撲」の歴史でいえば、それは中世に始まった「勧進相撲」が近世にいたって「営利勧進大相撲」という変形を受けたことによるものだそうだ。江戸時代は江戸・京都・大坂(大阪)の三都市における大相撲興行がはやった時期であるが、面白いのは「江戸の年寄は、輪番で勧進元と差添えを務め、勧進相撲興行の責任者となった。~京都の頭取も江戸の年寄とほぼ同様であったが、特に大坂の場合は侠客などが頭取に加わることも少なくなかったようである。これら年寄・頭取たちによって、四季勧進大相撲の興行が組織されたのであった」ということ。さらに、いまのプロレス興行などと同様、地元の相撲取が善玉、よそ者が悪玉となって、当然、善玉に花を持たせるような取り組みが行われていた点。「観客も、必ずしも真剣勝負を期待するのでなく、そうした周辺の事情を承知のうえで、土俵上のストーリーを『芸』として楽しんでいた」ということ。等々から、「ヤクザが興行にからんでいた相撲」を「相撲=八百長」説を充分わかっていながら楽しんでいたのである。

 つまり、現在までに繋がる興行形態が、実は昔から続いていたのである。ヤクザがらみの八百長相撲というのは実に現在相撲の伝統なのである。日本相撲協会も「ヤクザが絡もうが、八百長があろうが、そんなものは日本の相撲の伝統なのだ」と開き直ってはどうだろうか? もっとも、そんなこと言っちゃうと、非営利法人格を失ってしまうけどね。まあ、相撲協会は儲かっているのだからいいんじゃない。

 で、最初の話に戻る。

 大相撲(プロの相撲)は大メジャーであるが、例えば学生相撲(アマチュア相撲)は、実は超マイナースポーツでしかない。日本学生相撲連盟に加盟している大学の数はたかだか40そこそこだし、全国学生相撲選手権大会に出場する選手の数は300人足らずである。こんなのはアメリカンフットボール以下のマイナーぶりである。ラクロスとどっこいどっこいかな。従って、他のスポーツと異なり、学生相撲がプロ相撲の選手(力士)輩出母体ではない。勿論、学生相撲出身の強い力士はいるけれども、それはメジャーにはならないのだ。おまけに、学生以下の部分でも、相撲人口は少なくなっている。

 それを助けているのが、ちょっと前はハワイ出身の相撲取であり、現在はモンゴルや東ヨーロッパの力士である。そうなのである、彼らは「遠来のマレビト」なのである。ハワイ人やモンゴル人やグルジア人やロシア人たちは「現代のマレビト」であり、そうした人たちが日本の弱い相撲取(悪い精霊)をやっつけて、天皇のために尽くすのである。

 美しいではないか。

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