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2010年7月20日 (火)

妙に明るい闘病記は、かえってしっとりするもんだ

『アジアパー伝』シリーズの鴨志田譲氏の闘病記である。

『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』(鴨志田譲/講談社文庫/2010年7月15日刊)

『アジアパー伝』シリーズではひたすらバカばっかりやってる、というかバカばっかりやってないと心の平静が保てない位にいろいろ見てしまった、戦場カメラマン鴨志田譲だが、今回はアルコール依存症で精神病院に入院し、ある日、別の病院で癌であることを伝えられ、その為に精神病院を退院するまでの闘病記である。

 そもそもアルコール依存症になったきっかけというのが、内戦中のボスニア・ヘルツェゴビナでの兵隊たちのロシアン・ルーレットだというのだ。目の前で「ビンゴ」となった兵隊が死ぬ一瞬をみたのがPTSDとなって、アルコール量が増えたというのである。多分、その兵士は鴨志田氏も知っていた青年なのであろう。その為に「心が壊れた」のかもしれない。

 そして、西原理恵子氏との結婚があって離婚があった。そうすると、「この物語はフィクションです」という断り書きが巻末にあるが、実際にはかなり実話に近いものだろう。これは『アジアパー伝』シリーズも同じである。

『アジアパー伝』シリーズは「そういうお話」なので、基本的には明るい、面白い話ばかりである。しかし、この「闘病記」も基本的には『アジアパー伝』シリーズと同じく、明るく、面白いエピソードが続いている。勿論、そんな話はなくて、実際には暗く、重いエピソードばかりなのだろうけど、文章にすると明るく・軽く・楽しそうな話が多い。つまり、それは鴨志田氏のサービス精神なのだろう。これを読むと、「結構アルコール中毒の精神病院って、楽しそうじゃない」なんて思ってしまうのだ。用心しなければならない。実際には、もっとつらいことばかりの筈なのだ。

 こうした、作品があることはアルコール依存症のひとには福音かもしれない。アルコール依存そうというのは「病気」なのだし、そのための病院というのもちゃんとあるのだし、その入院生活というのも、そんなにツラいものでもないし、という具合に。

 そんな意味で、この作品は全国のアルコール依存症の人には薦めたい。勿論、そうじゃない人にも、この妙に明るい「アルコール依存症闘病記」はお薦めである。つまり、「明るい闘病記」の代表選手として。

 今年の秋には、本作を原作とした映画が公開されるらしい。監督は東陽一、鴨志田譲役は浅野忠信(いい男すぎないか?)、西原理恵子役は永作博美(これもいい女すぎないか?)だそうである。映画も楽しみにしよう。

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