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2010年7月22日 (木)

真面目な「電子書籍」本は苦悩する

 基本的にはすごく真面目な本であるが、若干タイミングを失ってしまったのがおしい。

『電子書籍と出版』(沢辺均ほか著/ポット出版/2010年7月10日刊)

 基本的には2010年2月1日に開催されたシンポジウム「2010年の『出版』を考える」をベースに、電子出版時代における編集者のあり方を総合的に考えた内容である。著者の一人、沢辺均氏(ポット出版代表取締役)は「はじめに」に書く。<電子書籍の拡大は、出版「社」をなくすことはあっても、出版というおこない自体はなくすことにはならない>と。

 そう、人々の「表現したい」という欲求が無くならない限り、出版という行為はなくならない。一方で、インフォバーンの小林弘人氏が言うようにいまや「誰でもメディア化」の時代であるのだから、誰でも情報発信の元になれるし、だれも「ひとり出版社」ができるのである。つまり、このブログみたいなもんですね。

 しかし、そうして「誰でもメディア化」して発信したものは、当然、昔と違いメディアの発信者と受容者の数における関係は、とんでもなく発信者の過剰になり、それは発信者が「食えない」という状況を招く。発信者が食えないということは、当然、彼を取り巻く出版社を含めた印刷会社・製本会社・取次・運送会社・書店も「食えない」という状況を招く。つまり、「出版」の産業としての終焉ということであろう。しかし、その時になってはじめて「出版」というものはすべてのくびきから自由になり、ライターは書きたいことが書けるという時代が来る。まあ、読み手がいるかどうかは別ですがね。

 同じく「はじめに」で沢辺氏は書く。<出版社の未来には困難が横たわっているけれど、出版そのものには可能性のある未来がある>と。本当に今の出版社にとっては困難な時代だけれども、それはそれで仕方のないことなのだろう。というより、いままでが状況のままに生きていてもそれで持っていた出版社が、これからはそうじゃいけなくなる、という、実は出版社にとっても良い状況になるのかもしれない。要は、ちゃんと状況の変化に真面目に対応できているのかどうか、ということである。

 文化通信社の星野渉氏が話すように<木版が活版になって制作が劇的に変わり、流通網も変わったことで、江戸時代までやっていた出版社がほとんどなくなり、明治以降、新しい出版社がたくさん出てきました>ということである。<出版>という仕事もテクノロジーとの関連で動いている以上、その変遷には<業態>自身も変化しなくてはならないのだろう。

 つまり、「デジタル時代の出版(社)とはなにか」ということである。それは、もはや「社」という概念で語ってはいけないものなのかもしれない。

 私自身、この「出版社」からあと数年で引退する状況だけれども、その後、その「出版社」がどうなってしまうのか。勿論、出版は大丈夫だろうけど、「出版社」がどうなってしまうのか、は大変興味のあることである。

 まあ、大手はそれなりの生き残り策を作るだろうけど・・・。

 あとはiPodという電子書籍のデバイスとして使えるタブレットPCが出てくるちょっと前に収録が終わってしまったシンポジウムやインタビューなので、そのデバイスについての考察が出来ていないことは、ちょっと残念。

 続編が出てもいいような・・・。

 それとこの本、「文頭の一字下げ」といったお約束がない。まあ、そんなところはパソコンで文章を書くときのお約束でもなんでもない、といったところなのだろうけど、そんなところまでデジタルになっていってるのだな。

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