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2010年6月30日 (水)

『メディア覇権戦争』はまだまだ本格的じゃない

 5月のiPad発売以来やたらといろいろなメディアで「電子書籍」論議が盛んだ。

 で、『週刊 東洋経済』7月3日号の特集が『激烈! メディア覇権戦争』である。状況としては、まだiPadが出たばかりで、メディア側の対応はまだまだ本格的じゃないところであり、これから今年の秋か冬になってキンドルの日本語版がでれば、またまたそこで電子書籍論議が巻き起こり、グーグル・エディションズが出ればまたそこで・・・と言う具合に新しいメディアをめぐった古いメディアでの特集がまたまた売れるというところなのだろう。

『東洋経済』の特集は、アップル・グーグル・アマゾンの新メディア軍を「新大陸」として、新聞・雑誌・テレビという「旧大陸」への侵攻として捉えている。『第1章 電子書籍は「本」を救うのか』『第2章 「新聞」の暗中模索』『第3章 瀕死! 日の丸プラットフォーム』という3部構成になった特集記事で、唯一確定的なのは第3章のプラットフォームの問題だけであり、あとのふたつはまだまだ状況が見えていない。

 インタビューが出版界から講談社の野間省伸副社長(日本電子書籍出版社協会代表理事でもある)、テレビ業界から広瀬道貞民放連会長(テレビ朝日顧問)、新聞業界から秋山耿太郎朝日新聞社長の3氏。

 ところで、この「旧大陸」の3メディアって、それぞれいろいろな形で保護されてきた業界なのだ。

 出版はご存知の「再販価格維持制度」があり、「本は定価販売」というのが当たり前になっている。テレビは免許制度に守られて、ひたすら競争から免れている業界である。新聞も、日本では有名な宅配制度がしっかり生き残っていて、それが日本の新聞を守っている。

 対する「新大陸」の側は何の保護法制もないし、新しいビジネスとして胡散臭い目で見られてきた業界である。

 しかし、いまや完全にプラットフォームを支配し、コンテンツを手に入れようとしている。これから先、「旧大陸」側はどうすればよいのか。

 まずひとつは、それら「旧大陸」メディアを保護してきたいろいろの制度をなくして、「新大陸」側と同じところに立つことではないだろうか。

 勿論、それらの保護制度があったからこそ、これまでの好調を維持できてきたこと、ここまでの発展を可能にしてきたことは間違いない。しかし、最早それらの保護制度も制度疲労をおこしているのではないだろうか。

 再販価格維持制度はそれとセットになった委託販売制度と一緒になって返品率40%超という、もはや出版業の首を絞めている状況だ。テレビの免許制度も、いまや電波オークションを採用して電波使用料を高騰させなければ、異常な経費と収入のギャップとなって現れ、日本の電波行政そのものがおかしなことになってしまっている。また、新聞の宅配制度もそれと一緒になった「押し紙」とともに批判の対象だ。宅配制度は新聞業界の企業努力じゃないかという言い方もあるが、しかし、それをしも戦前の新聞統合の結果としての独占の賜物であるのだ。

 そうした保護制度をなくして初めて池田信夫氏(アゴラブックス代表取締役)と岸博幸氏(慶應大学教授)の『激論 多くの新聞社、テレビ局、出版社が潰れる』という対談の状況がやってくるだろうし、そういった状況、つまり「新規事業が勃興したり、潰れたりという、当たり前の業界」というものにそれら3業界が変化しないと、わが国の状況も変わりようがないのだ。

 まだまだ『メディア覇権戦争』はその前々段階だし、これから何年か後にやってくる本格的な『戦争』に備えるためには、自らを保護している制度を。まず自ら捨て去ることが必要なのではないだろうか。

「黒船の襲来」にたとえられる電子書籍の衝撃だが、江戸時代末期の黒船の襲来というのは、やむをえない時代の変化であり、それに気付こうとしなかった当時の日本人にとっての「突然の変化」でしかなかった。今回の「黒船の襲来」も同様に、やむをえない時代の変化というものに過ぎない。変化に対応できない「尊王攘夷派」はもういらないのだ。

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