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2010年6月11日 (金)

グーグルも成長の限界?

 グーグルの共同創設者、ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリン、CEOのエリック・シュミットへの何回にもわたるインタビュー、グーグル社員に対する150回のインタビューの結果書かれた労作が出版された。

『グーグル秘録~完全なる破壊~』(原題:GOOGLED/ケン・オーレッタ著/土方奈美訳/文藝春秋/2010年5月15日刊)である。

 1998年9月7日、知り合いの家のガレージでスタートした、今や世界最大のウエブ検索会社グーグルの始まりは、ある日単純に思い付いた「ウエブ全体をダウンロードして、リンクの記録をとったらどうだろう」というアイデアにすぎない。サーチエンジンとしての最適のアルゴリズムに基づく(と彼等が思っている)方法論でスタートした会社は、そのままの考え方でこれまですべて生きてきた。まさにマイクロソフトのビル・ゲイツが「最も恐れている挑戦者は?」という質問に答えて、ネットスケープ、サン・マイクロシステムズ、オラクル、アップルといった予想された答えでなく、「怖いのは、どこかのガレージで、まったく新しい何かを生み出している連中だ」と答えたように、それはテクノロジーのイノベーションというのは、まさにマイクロソフトがそうであったように、突然知らないところからやっくるものなのだろう。

 マイクロソフトのアプローチは基本的に「我々に従え」というもので、当然それはOSの会社だから当たり前と言えるのであるが、それに比較してグーグルの発想方法は「何があってもよい」というオープンソースのLINAX的アプローチであるという。それがペイジとブリンの出身であるスタンフォード流なのだそうだが、だとしたら「県外移転」を言い続けながら結局は沖縄に基地を持ってきた鳩山流も「何があってもよい」というスタンフォード流なのか、というあだしごとはまあよいとして、そんな「何があってもよい」というグーグル流、「邪悪になるな」というグーグル流が、何故、突然「著作権無視」という暴挙に出たのだろう、というのが基本的な疑問である。

 オーレッタは「技術者特有の効率至上主義とEQ(心の知能指数)の低さ」という問題を持ち出す。確かにそれはあるのかも知れない。エンジニアが主導するグーグルという社会では、「文学作品の著作権」なんてものに対する認識の低さというものがあるのだろう。

 しかし、私に言わせるとこのグーグルの著作権無視の問題にはもうひとつ、アメリカならではの問題もあったように思うのだ。つまり、アメリカの著作権制度にかかわる問題なのだが、実はアメリカは1989年までベルヌ条約に加盟していなかった。ようは、アメリカだけがヨーロッパやわが国のような著作権制度がなくて、著作権登録を行わないと著作権が認められなかったのである。ヨーロッパやわが国の著作権制度は、著作権はあらかじめ人間の本来認められている権利であり、著作権登録などということも必要なく、書かれたものを発表した、その時すでに書いた人の著作権は認められている。しかし、アメリカの場合、書いたものを著作権登録事務所に提出しないと、書いた人の著作権は認められないという、特許権からきた発想で著作権も行われていたのである。勿論、1989年にアメリカも他の国と同じような著作権制度に変わった以上は、グーグルだってそれに従わなければいけないのであるが、その辺がエンジニアならではの著作権意識の低さもあって、「うっかりやっちまった(という割には堂々としたものだったが)」というところにしておこう。ま、多少グーグルに対して甘い見方ではあるが。

 マイクロソフトの「覇権主義」には腹が立つが、その「著作権を守る姿勢」には安心できる。グーグルの「自由主義」には好感はもつが、基本的な「著作権なんて何であるんだ」という姿勢には腹が立つ。どうにも上手くいかないもんだ。

 そのグーグルも、この本がアメリカで刊行されて半年後、マイクロソフト・ウィンドウズの社内での使用を段階的に取りやめ始めたというニュースが入ってきた。問題は「セキュリティ」であり、中国のハッカー攻撃がその理由だとしているが、まあ、それは言い訳にすぎないだろう。Mac OSかLINAXに変えるといっても、それは理由にならない。確かに、Macの方がウィルスに強いとか、ハッカー攻撃を受けにくいといったって、それは単にMacのほうがウィンドウズに比べてマイナーな存在だからというにすぎない。要は、クロームOSへの移行をそろそろグーグルは考え始めているということだろう。

 これまでは、サーチエンジンではマイクロソフトと競ってきたが、OSではマイクロソフトに従っていたグーグルが、いよいよOSでもマイクロソフト離れを始めたということだろう。

 グーグル対マイクロソフトの対決。面白くなってきた。

 

 以上、iPadからの投稿でした。

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コメント

「いろいろな書籍が自由に検索して」というのは、グーグルサーチや今国会図書館で作業をしている所蔵図書の電子化でも可能ですので、これは時間の問題。
ただし「自由に検索して読め」るというのは、読み方のルール(要は金の払い方のルール)を決める必要があるでしょう。これは今秋くらいには日本のルールと方法論が出来る筈なので、もう少しお待ちくださいというところでしょう。
ただし、iPadの経験だけからすると、電子デバイスは書籍を読むのには向いていない。雑誌的な「情報」を収集するには向いているが、同じものが「紙の本」で手に入るなら、書籍的読み物は「紙」の方が向いている。後は、絶版本が読めるというのが電子デバイスの最大のメリットかな。

「グーグルの「自由主義」には好感はもつが、基本的な「著作権なんて何であるんだ」という姿勢には腹が立つ。」と書かれている事は尤もだと思います。一方で、色々な書籍が自由に検索して読めたら便利だなとも感じています。その辺りを上手く解決してくれる方法を出版社や映像業界が解決してくれる方法を早急に提示してくれないかと思います。久しく言われているのに遅々として進まない。
iPadの普及で少しは進むかな?

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