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2010年6月 3日 (木)

ブラック企業にもいろいろある

 ブラック企業というと、なんとなく先物取引とか不動産投資なんかの電話セールスのような、ちょっと胡散臭くて、おまけに従業員には残業代も払わずに長時間残業を強いる、ちょっと違法営業をやっている企業というイメージだ。しかし、本書に収められている「ブラック企業」というのはもうちょっと広い意味での「ブラック」であり、厳しい営業を行っている企業まで含めている。

 本は『ブラック企業、世にはばかる』(蟹沢孝夫著/光文社新書/2010年4月20日刊)である。

 本書によれば「ブラック企業」を三つに分けている。

 ひとつは「肉食系ブラック企業」であり、先にあげた「いわゆるブラック企業」から、たとえばIT会社の元請けから仕事をもらう下請け企業にある「いつまで続くぬかるみぞ」的な過重労働を強いられる会社を中心に、さらには出版社系の編集プロダクションやTV放送会社の下請け制作会社までを対象に、ようは「過重労働」をいつまでも続けていて辞めていく従業員の多さを競うような企業を指している。勿論、その原因のひとつは「元請け」の「下請け」に対する過剰な要求や無理な要求と、それを請けなければ生きていけない業界構造といったものがある。勿論、そうした企業ばかりでなく、ノルマの厳しい証券業界やらエステサロン、教材の販売会社なんてのもある。要は新卒使い捨て業界というわけだ。

 もうひとつは「草食系ブラック企業」で、過重労働というようなものが無いかわりに、「肉食系」ではまだあったスキルの向上というものがまったくない仕事、というものである。例えば、パソコンのコールセンター業務なんかがその口で、おまけにいまやコールセンターは中国などの低賃金国におかれていることが多く、名目としては「中国語が学べます」なんていって募集しといて、低賃金で人を雇おうという発想の元に行われている職場である。

 さらに本書ではそうした「肉食系」「草食系」とは別に、大手優良企業や官公庁などの就職の「勝ち組」の中にある「隠れブラック」として「グレーカラー企業」を入れている。いわゆる「勝ち組」企業の中にある過重労働職場といったものだ。

 しかし、こうした「グレーカラー企業」の場合は、いわゆる「ブラック」とはまったく異なった状況から過重労働をしている訳で、ここをしも「ブラック」と言ってしまっては本当のブラックには申し訳ない。例えば、出版社なんかでも週刊誌やコミック誌を出版している会社では、20代社員ははっきり言って編集部の員数外、編集会議でも「お客さん」扱いであとはひたすら先輩社員にくっついて長時間残業のOJTの繰り返し、確かに時間内での労働はそんなに過重ではないが長時間の仕事場くくりつけで厳しいには厳しい。しかし、企画を出さなければならない編集部仕事では、企画を出すべくブレーンのいない新入社員はとにかく仕事をいっぱいやって社外ブレーンなどの人材とのつながりをつけるしかないのだ。そうしておいて30代にでもなれば、やっと企画会議や編集会議での発言にも重みがでてきてやっと一人前。と言う具合に、言ってみればスキルアップの為の準備期間が必要なのである。つまり、大手優良企業や官公庁の「グレー」は必要悪でしかなく、これをしも「ブラック」に入れてしまえば、企業は成り立っていかなくなる。

 むしろ問題なのは、最初にあげた「肉食系ブラック企業」が、いまや社会の必要な歯車になっていることだろう。まあ、よっぽどの違法営業や過重労働を強いている状況で無い限り、こうした「ブラック」企業はなくならない。蟹沢氏は自らのキャリアカウンセラーの経験から、こうした「ブラック」をなくすための、日本の就職環境やら就業状況への提言を行っている。

 しかし、そうした提言が受け入れられる状況はしばらくは無いだろう。なぜなら、そうした就業状況を受け入れてしまったら、企業の採用担当者自身の身が危なくなるからだ。といって、政策でそうした状況を作る出すのも難しかろう。

 而して「ブラック企業、世にはばかる」のだ。

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