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2010年6月15日 (火)

『ネットの炎上力』って、それはあまりにも無責任でしょ

 タイトルからしてネットにおいて過去炎上したケースを調べてそのことを面白おかしく書いた本だと思ったら・・・。

『ネットの炎上力』(蜷川真夫著/文春新書/2010年2月19日刊)は、いたって真面目な、しかし、その分しっかり「J-CASTニュース」の宣伝なのでした。

 著者の蜷川氏は、元々朝日新聞の記者で、その後「AERA」編集長とか「ASAHI.COM」なんかの立ち上げを行い、朝日から独立し、いろいろあってJ-CASTニュースというニュース・サイトを立ち上げた。蜷川氏はJ-CASTを「1.5次情報」として位置づけ、新聞・テレビなどを「1次情報メディア」、雑誌などを「2次情報メディア」として、その中間に位置するメディアとして自らのJ-CASTを規定する。つまり、新聞・テレビはまず情報として「何があったのか」を伝えるメディアであり、雑誌はそれを「何故それがあったのか」を伝えるメディアである。J-CASTはその中間、つまり「何が」あって、その結果周辺で「何が」起こったのかを伝えつつ、「何故」を考えるメディアであるという。

 でも、要は新聞・テレビを見ながら、それをネタ元にして、その周辺で、というかネット周辺で、どういったことが起こっているのかを、面白おかしく伝えるメディア、ということであろう。故に、新聞・テレビネタで「炎上」が起きたりすると、まずそれを伝えることが第一になってきて、その結果、更に「炎上」することになるのだ。要は「ネット上の街ネタを取材(って、ネット・ウォッチをすること?)して」それらをニュースソースとして「コピペ」して「コメント」を追加する形でJ-CASTニュースは成り立っている。

 私なんかは出版社というところにいるので、どうしても新聞・テレビなどの1次情報に接すると、その裏側には何があるのだろうということを考える癖がついている。当然、新聞社やテレビ局の資本関係やらスポンサー関係をまず考えて、そこから類推できる情報をまず考える、そしてニュースの裏側には何があるのだろうということを考えるのだ。従って、そうした思考方法には、単純に「炎上」という反応はないのだ。しかし、J-CAST的な「脊髄反応」にはすぐに「炎上」する可能性がある。元々、ネット漬けになっている連中の多くはテレビネタに反応する連中であり、それに対して深く考えずに「脊髄反応」することから、ひとつの事象に対して単純な発想からしか反応できずに「炎上」のネタを作ってしまうのだ。「ネット右翼」なんてのも、単純な「嫌韓」やら「嫌中」の「感情」だけから事象に反応してしまうだけの思想以下の「反応」でしかない。こうした底の浅いネット人種たちの中からまともなジャーナルが出てくることは無いだろうし、J-CAST自身も自分たちをジャーナリストではないとしている。「ミドルメディア」という呼び名に対しても距離をおいていることがそうであろう。

 しかし、こうしたスタンスも「ニュース・サイト」として定着してしまうと、それをあたかも「ジャーナリズム」の一種として捉えられることになってしまってはいないか? J-CAST自身も自分ではジャーナリズムではないといっても、世間的にはジャーナリズムとして捉えられてしまってはいないか? 

 蜷川氏は新聞・テレビの1次情報メディアとしての重要さは充分わかっていて自らを1.5次情報メディアとして捉えているのだろうが、1次であれ、2次であれ、1.5次であれ、メディアであることには変わりはないわけで、そうした場合「メディアとしての責任」を果たす必要があるのではないか? つまり、1次情報を「炎上」させないための努力である。「炎上」は確かに面白い。しかし、その面白さだけに注目していては物事の本質を見失うことになるだろう。むしろ、「炎上」するような事象があったら、如何にしてそれを「鎮火」させるのかを考えなければならないのではないか? 

 まあ、「炎上」なんて、大半の人は知らないままで過ごしてしまうことなので、それでいいっちゃいいんだけれどもね。

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