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2010年5月 2日 (日)

自転車レースファンが書く、自転車小説

 近藤史恵の新作『エデン』(新潮社/2010年3月25日刊)を読む。『サクリファイス』(新潮社/2007年8月30日刊)から2年半、主人公は白石誓(チカ)、チーム・オッジという国内チームにいたのが、ツール・ド・ジャポン(ツアー・オブ・ジャパン?)の富士ステージでの活躍を認められ、スペインのチーズ会社をスポンサーにしたサントス・カンタンというチームにスカウトされ、ヴェルタ・ア・エスパーニャなどに出場していたが、2年たってパート・ピカルディというフランスのチームに移籍し、いよいよツール・ド・フランスに出場というところまで「出世」している。

『サクリファイス』の時は、随分自転車レースやチームのことに詳しい作家がいるもんだ、と感心していたのだが、近藤氏のブログを読むと、(ご自分が乗っているのかどうかは分からないが)自転車レースには相当の関心を持っていて、2008年にはシャンゼリゼまでツール・ド・フランスのフィニッシュを見に行っているのだ。

 ところが、2007年から以降の実際の自転車界の状況はだいぶ変化してきている。2009年にはスキル・シマノから別府史之が、ベーボックス・ブイグテレコムから新城幸也のふたりがツール・ド・フランスに出場し、新城が第2ステージで大活躍し、別府が最終のシャンゼリゼで逃げに乗って敢闘賞を獲得するなど、この作品が携帯小説として連載されていた2009年1月から10月までの間に、まるで現実が小説を追い越してしまっているかのようだ。2010年はベーボックス・ブイグテレコムのツール・ド・フランス出場選手の中には新城が既にアナウンスされており、すでにツールの顔の一つになっている。今年レディオ・シャックに移籍した別府がどうなるかはまだ分からないが、昨年の活躍ぶりからすれば、選ばれてもおかしくはない。

 で、自転車レースというと必ず取り上げられる「ドーピング」というやつだが、『サクリファイス』ではエフェドリンだった。今回の『エデン』ではCERAという第三世代のEPOである。前回と違って、今回は自分のチームメイトへ及び自分自身へのドーピング・スキャンダルではなく、ライバルチームのドーピング問題である。レース中にチカと親しくなったライバルチームの選手ニコラと幼馴染のライダー・ドニのドーピング問題とドニの死。ドニの死によってCERAの問題は永遠にふたをされてしまう。次の年、ニコラのアシストを失ってしまったニコラのチームから誘われるチカ。しかし、チームメイトのエース・ミッコとの関係を考えるチカは・・・。という「浪花節」であります。

 この日本人特有の「浪花節感覚」が今回の主調テーマ。『サクリファイス』ってそんなに「浪花節」ではなかったように記憶しているのだが、『エデン』は完全に「浪花節」。途中のニコラを一緒に逃げようかという話にも「浪花節」でミッコのところに下がってしまうチカ。こうした、「浪花節」的考え方は、多分ヨーロッパ的合理性から物事を判断するヨーロッパのチームにいる間に、かえって伸びてきたチカの感性なのかもしれない。

 さて近藤さん、『サクリファイス』では最終章で少しだけ出てきたヴェルタ・ア・エスパーニャに引き続き、今回はツール・ド・フランスであるということは、次の作品では当然ジロ・デ・イタリでしょうね。ツールは大きくなりすぎて、少し遠いところにあるようなレースになってしまっている。もう少し、自分たちに近いおちう感覚になれる(あくまでも「感覚」)のはジロでしょう。ツールに比べるとちょっと田舎くさい部分も面白いしね。ということで、次はポルトガルのチームから1年でイタリアのチームに移籍したチカを読みたい。

 ということで、来週5月9日じゃらはいよいよジロ・デ・イタリアがスタートして、グラン・ツールの季節が始まる。またまた眠れない3週間になりそうである。

 で、自分の自転車としては、今日は青梅まで往復、3時間半、72km。まだまだです。

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