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2010年5月 1日 (土)

東京写真展散歩

 新宿と銀座のニコンサロンをはしごした。

 新宿の方は『Portraits of Independence : Inside the Kachin Indepence Army (カチン独立運動の内側から)』(Ryan Libre/ライアン・リブレ)という、ビルマのカチン族の独立運動を捉えた写真40点を展示した写真展である。

 ビルマの諸種族独立運動の実態は我々にはあまり知られていなく、つい最近『朝日新聞』が独自の武装組織を持つ少数民族に政府軍への編入を求めて交渉し、交渉決裂ならば武力鎮圧を行うという方針を決めたというニュースが2010年4月22日のバンコク発の外電で掲載されていたくらいである。アウン・サン・スーチー氏の活動は報道されているが、こうしたビルマの諸民族の独立運動についての報道はほとんどない。Wikipediaで「カチン」と入力しても、出てくるのは「カティンの森事件」という、第2次世界大戦時に約4,400人のポーランド人がソ連の内務人民委員部によって銃殺された事件のことが載っているが、ビルマのカチン族のことは、まったく載っていない。当然、カチン族やカチン独立運動、カチン独立軍などの存在すらも、我々は知らされていない。日本でカチン族のことを知るには菅光晴という人のブログ(http://blog.livedoor/kachin_shan/)位しかないのである。

 フォトグラファーのライアン・リブレ氏は、アジアに住んで8年になるそうだが、主に夏は北海道で動物を撮影し、冬は東南アジアで暮らしているそうである。そんな中、タイで暮らしているときにカチンのことを知り、興味を持ったとのことで、それから何度かカチンに赴き、最後は2009年冬に3か月過ごし写真を撮り、今回、日本で発表したわけである。

 ビルマの軍事政権は中国の後押しを受けているが、ちょうど中国とビルマの国境に位置するカチンの立場は微妙である。カチン族は、ビルマ政府との間に「自治政府」の契約があり、それを守るようにビルマ政府に求めており、「自治政府」を確立するために、独自の軍隊だけでなく、学校、病院、教会、TV放送局、発電所まで持っており、経済的には中国とビルマの間を行きかう輸送車からの税金収入で賄っており、という具合に、いつでも独立できる状況にあるという。しかし、先の『朝日新聞』にもあるように、ビルマ国軍は独立を認めようとせず、むしろ政府軍へ編入しろと言ってきているようである。

 これは長期化(すでにじつに長い時間が過ぎているが、さらに)せざるをえないであろう。しかし、そうした経済基盤を持っている独立軍・独立機構であれば、こうした長期化にも耐えられる筈である。

 なるほど、我々はビルマといえばアウン・サン・スーチー氏の民主化運動しか知らなかったが、こうした諸民族の独立運動がその裏側にあったということは、軍事政権がサン・スーチー氏を解放すると、こうした諸民族の独立運動がますます盛んになることを意味することであり、それを恐れる軍事政権としては、国際的に何と言われようともサン・スーチー氏を解放する訳にはいかないという理由がよくわかる。

 ますます深まる、難しい問題だなあ。ということで、この写真展は5月3日まで開催中である。

 銀座の方は『第29回土門拳賞受賞作品展 RyUlysses 鈴木龍一郎写真展』。

 今年の土門拳賞を受賞した鈴木氏の写真集『RyUlysses(リュリシーズ)』からの抜粋展示である。『RyUlisses』は、『オデッセイ』『ドルック』に続く三部作で、ジェイムス・ジョイスの『ユリシーズ』の影を追いながら、ダブリンの街とその周辺を彷徨いつつ6年間にわたって撮影してきた集大成である。ということで、『RyUlisses』というタイトルは『Ulysses』とRyuichirouを組み合わせたものであるということが分かる。

 面白いのはフジTX-2というパノラマ撮影が出来るカメラで撮影されていて、通常の35mmフィルムなら<1:1.5>で撮影されるところ、この作品集では<1:2.7>という、かなり横長のアスペクトレシオで撮影されているということである。ところが、この<1:2.7>というサイズにあまり違和感がないのである。むしろ、普通の感覚でこのサイズがみられるというのは、通常の<1:1.5>というサイズが、まさに「現実を切り取った」サイズであるか、ということである。通常はフォトグラファーが「現実をカメラフレームで切り取った」画像を作品として提示するのであるが、この作品集ではあたかも「現実のまま」に提示しているような感覚になるのだ。が、しかし写真はモノクロームであり、やはりしっかり「現実をその横長のフレームで切り取っている」ことには違いない。

 この不思議な感覚は面白い。というか、私もパノラマ写真に挑戦してみたいな、という気になってきたのである。ただし、縦位置で撮影した写真はかなり「気持ち悪い」。やはり、人間の目は横にふたつ並んでいるのである。

 こちらは5月11日までの開催。

 撮影は、EPSON RD1s+Elmarit 28mmにて。新宿と銀座を。

 

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