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2010年4月22日 (木)

昔の写真雑誌を見る

 1932年と言えば昭和7年、第1次上海事変や、満州国建国宣言、5.15事件などが日本周辺で起こり、ヨーロッパではドイツ・ナチ党が政権を取るなど、次第に戦争に向かってそれぞれの国内が緊張感を増してきていた時期である。

 こんな時期に雑誌『光画』は創刊した。雑誌といっても同人誌のようなものであり、同人の野島康三氏がほとんど出資をしていたようだ。テキストは『日本写真史の至宝 別巻 光画傑作集』(野島康三・中山岩太・木村伊兵衛・伊奈信男ほか著/飯沢耕太郎・金子隆一監修/国書刊行会/2005年11月30日刊)。

 しかし、伊奈信男氏や、長谷川如是閑氏の評論などは結構「左傾」していて、それこそレーニンやスターリン流(残念ながらトロツキー流はないのだけどね)の「左翼芸術」感満々にリアリズム芸術を声高々に提唱しているのだ。この時代に、これだけ「共産主義芸術論」を言えたということは、まだまだ大正デモクラシーの残滓が、この時代にも残っていたということなのだろうか。我々の認識ではこの時代、既にデモクラシーなんてものは残されていなくて、国民総動員態勢、ファシズムへの道を轟々と突き進んでいたと考えていたのだが、意外にもまだまだ、日本国民は健全だったことがわかる。ただし、『光画』も創刊1年半後には休刊に追い込まれる。勿論、野島個人に負っていたという経済的な理由もあるのだろうが、一方、政治的な理由もあるのだろう。

 上記の復刻版であるが、当然写真雑誌の復刻であるから、写真の収録がメインである。『光画』第1巻から第2巻12号までの、主要な写真はすべて載っている(全部なのかどうなのかは分からないが)。

 特に、野島康三の写真「女」シリーズは、モデルの古さはどうしようもないが、現代に通じるモデル写真の面白さを感じさせる写真だ。中山岩太のモンタージュかフォトグラムか分からないが、それらの写真はいかにも「時代」を感じさせる写真だ。しかし、なんといってもそれらの写真群の中で特別な素材は木村伊兵衛の写真群だ。ライカで撮られたと思われるスナップ写真は現在でも我々がよく目にするものである。「帽子売り」だったり「詰将棋」だったり「街の芸人」だったり・・・。同様の意味で、飯田幸太郎の写真もなかなかに見せてくれる。やはりスナップっぽいのだけれども。

 しかし、木村伊兵衛の写真で一番感心させられたのはそうしたスナップではなくて、第2巻4号に掲載された「商業写真」というタイトルのフォクトレンダーの宣伝写真なのである。勿論、フォクトレンダーといっても現在の日本国長野県で作られているフォクトレンダーではなくて、ドイツ本国のフォクトレンダーである。木村は商業写真家であるから、スナップ写真だけではなくこうした宣伝用写真も当然上手いのは分かるが、ここまで美しい写真を撮るとは思わなかったというのが事実だ。私の不明を恥じなければならない。こういう写真を撮れる人が、スナップを撮るから、すごいのか・・・と。

 ウ~ム、私にこういう写真は撮れるのだろうか・・・無理だろうな。

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