フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 今なら見ておけ「密約 外務省機密漏洩事件」 | トップページ | 作者の真意は意外なところに? 『営業零課接待班』 »

2010年4月16日 (金)

「兵士」シリーズの最後(から1コ手前)は刺激的だ

 4/10の記事で書いた杉山隆男氏の『「兵士」になれなかった三島由紀夫』の続編です。今回は『兵士に告ぐ』(小学館文庫/2010年1月13日刊)。

 「兵士」シリーズと名付けられたこの作品、陸上自衛隊に密着取材した『兵士に聞け』から始まって、海上自衛隊に取材した『兵を追え』 、航空自衛隊に取材しF15の体験搭乗含めた『兵士を見よ』として、この『兵士に告ぐ』まで4冊、そして『「兵士」になれなかった三島由紀夫』で完結だそうだ。つまり、本来ならば『兵士に聞け』から読み始めなければいけないところなのだが、しかし、『兵士に聞け』から『「兵士」になれなかった三島由紀夫』まで20年の歳月が過ぎている。その間の自衛隊の変わりようは三島の思いを越えて、しかし、三島の言うように「アメリカの傭兵として」カンボジア、アフガニスタン、イラクへと派兵を展開している。<三島由紀夫と自衛隊>の関係論で杉山氏の本を読んで行こうとしたのだが、現実の展開の速さから、始めの『兵士に聞け』を読まずに、『「兵士」になれなかった三島由紀夫』のひとつ前の『兵士に告ぐ』を読んだのだ。

 この『兵士に告ぐ』でも再三杉山氏が触れているのは、自衛隊の中隊長の「任務に対する忠実さ」と「国を守る気概」である。実は、この本を読むまでは「中隊長」が自衛隊の基本であることは知らなかった。中隊長以上は幕僚とか官僚になって行って、要は「軍人」から官僚の世界に入っていくのである。なるほどな、杉山氏は軍人である自衛官だけに指標を絞って取材を続けたのであった。

 そこに限って取材を続ければ、たしかにそこにあるのは「軍人」たる自衛官しかいないであろう。まさに本人は否定するかも知れないが、やはり杉本氏は「軍事ヲタク」なのではないだろうか。その軍事ヲタクの目から見て三島由紀夫を見たのであろう。その結果が「三島は兵士を見ていない」という発言につながると思うのである。「見ていない」というのは、軍人としての自衛隊員の将校なのではなく、官僚としての自衛隊員のことかと思っていたのだが、しかし、やはり三島は軍人としての自衛隊員しか見ていなかったのであろう。その結果、三島は「軍人」としての自衛員が決起しないことに(もっともそれは始めから分かっていたことであるが)対して、自決という形で決起をうながしたのであろう。しかし、そのようなことであろうが、揺らがないのが自衛隊という超「官僚」組織なのである。

 結果、この『兵士に告ぐ』を読んでも、一番分かったのは、杉山氏の「軍人」に対するシンパシーである。「軍人」はどのような「国」に対しても忠実なのであろうか。杉山氏がイメージするのはそんな「軍人」である。であるならば、国が他国に対して下僕のように従うことになれば、その他国の軍隊に従うのが、我が国の「軍隊」であると思っているのだろうか。

 この本に書かれているように、いまや日本の国防は、旧ソ連を相手にした北方防備から中国や北朝鮮を相手にした西方防備に変わっていて、国防の中心は西部方面普通科連隊に移っているという。そこで行なわれているレンジャー訓練にも似た訓練の模様もある。それも、米軍の支配下であるのであろう。こうした、状況に対する杉山氏の発言である。

« 今なら見ておけ「密約 外務省機密漏洩事件」 | トップページ | 作者の真意は意外なところに? 『営業零課接待班』 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/48104095

この記事へのトラックバック一覧です: 「兵士」シリーズの最後(から1コ手前)は刺激的だ:

« 今なら見ておけ「密約 外務省機密漏洩事件」 | トップページ | 作者の真意は意外なところに? 『営業零課接待班』 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?