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2010年4月17日 (土)

作者の真意は意外なところに? 『営業零課接待班』

 2008年に講談社とTBSが主催する「ドラマ原作大賞」を受賞し、当然、テレビドラマ化、ラジオドラマ化された『被取締役(とりしまられやく)新入社員』を書いた安藤佑介氏の新作が出版された、題して『営業零課接待班』(安藤佑介著/講談社/2010年4月20日刊)。

 今回は、被取締役(とりしまられやく)というほど、新しい言葉はなく、ごく普通に「営業」であり「接待」である。ただし、ダメ社員が主人公という点は変わりなく、というか前作ではダメ社員は主人公の羽ケ口信男ひとりだったのだが、今回は8人の課員全員が会社から退職勧告を受けた、言ってみれば「会社から見たダメ社員」の集まりである。専務の井岡からしてみれば、現在の既存顧客を中心とした営業体制がもの足りない。そこで社内各部署で「ダメ」の烙印を押された社員を集めて、新規顧客開拓のみを目的とする遊撃部隊、「営業零課」を作り、そこでの営業手法をもっぱら「接待営業」に定めて、出発する。

 元来営業に向いていない口下手の主人公、真島やら、違法営業専門の野辺山、短気ですぐ人を殴るような課長の黒田、等々、問題ばかり抱えた社員でスタートした営業零課は、途中チグハグな失敗を重ねながら、それでも1年目の目標50億円に向かって動いていく。

 しかし、今回は前作ほどハチャメチャではない。それはそうだろう、「接待営業」とは言っても、いわゆる「飲ませる・ヤらせる・握らせる」という3セル営業で無理やり受注を取るというものではない。接待の目的は「お客様と親しくなる」ということなのだ。勿論、今どき「3セル営業」で受注がとれるほど世間は甘くないし、そういう時代でもない。したがって、「お客様と親しくなる」という接待の目的は、ごく普通の営業活動で行われていることなのだ。ただし、最近はそうした「親しくなる」名目のお付き合いも少なくなっている、というのが安藤氏の見かたなのだろうか。たしかに、現在の不況の中で各社とも「接待費」は一番最初の切り詰める対象ではある。とはいっても、まったく接待営業がなくなっているわけではないけどね。

 ただ、井岡にしてみれば、自分が若いころからやっていた「接待を通じてお客様と親しくなり、その後、お客様の悩みなどに対する解決方法」から営業につなげるという方法が、今では「そんな時間をかけてどうする」という正論に負けていることが、残念なのだろう。そこで、こうした接待営業の復活を試みたのであろう。そういう意味では、今の不況下で、むしろこういう時代だからこそ「接待を」という提案をするビジネスノベルという読み方もできるかもしれない。

 前作『被取締役新入社員』でも最後は普通に「いじめ撲滅キャンペーン」を実行する主人公を描いた安藤氏である。今回も、割と真面目に「接待営業」をキチンと復活させようと考えているのかもしれない。

 それとも、現在まだ公務員である安藤氏、マジに業者に「接待してよ」と思っているのが真意だったりして。

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