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2010年3月18日 (木)

風俗ライター、じゃなくても戦場に行くけどね

 小野一光というライターを知った。『風俗ライター、戦場へ行く』(講談社文庫/2010年3月刊)という本である。

 いまやパチンコ・パチスロ関係の出版社として有名な白夜書房であるが、元々は「写真時代」などの「写真雑誌」といっていけなければ、要は「エロ雑誌」の出版社であった。そこの「百円ライター(要は使い捨て)」として使われていたライターが、何故かというか女にフラレたのがきっかけでカンボジアに行ってしまったというのが、このストーリーの始まりなのである。

 その後、戦争が始まるたびにカンボジア、アフガニスタン、そしてイラクへと場所を変えながら、取材を続ける。しかし、その継続に関してなんら繋がりがない。何故、カンボジアなのか。アフガンについても、何故タリバン政権下のアフガンなのか、何故北部同盟下のアフガンなのか、何故米軍支配下のアフガンなのか、という思想的なことは当たり前としても、そういった思想的なことを考えること自体が関係ない、といった感じで、でも戦場にこだわって取材を続ける。ウーム、それは他人が行かないところへ行けば別の記事が書ける、ってことだけ?

 最後は、イラクである。もはや混迷を極めるという形の場所である。これが、イスラエルとアラブとの関係論であればもう少し単純なのだけれども、要はアラブ人(イスラム教徒)同士の戦いになってしまうと、もやは、われわれ日本人がどうこうする問題ではないのかもしれない、ということになってしまう。

 そこで「ボクにとっての戦争は、ヒューマニズムの観点からの取材対象ではなく、好奇心を満たすための対象だったのだ。決して取材ではない。取材にかこつけた見物。だ」というスタンスで戦争・戦場取材を続けてきた筆者である。

 戦争取材をする記者には、「戦争に対する立派な考え方があって」取材する人、と単に「戦場に興味があって」取材する人があると思っていたが、もう一人「戦場に興味はないけど、今より面白そうだから」取材する人がいるのだな、と分かっただけでも、読者としては一歩前進である。

 まあ、いろんな人がいるから、僕らは戦争の状況も知ることが出来るわけだし、その人の動機は別にどうでも良いんじゃないか。

 まあ、ジャーナリスト(といってしまうとかっこ良すぎるが)、を自称するならば、一度は戦場に行ってみれば、ということなのかなあ。

 

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